66部分:第七話 恐怖の集結その八
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「もう見ちゃいないさ、安心しな」
だがそれはすぐに打ち消してこう述べたのだった。
「今のところはな」
「そうですか。ならいいんですがね」
「驚きましたよ」
「蝿を使ったんだよ」
デスマスクは言う。
「蝿をな」
「蝿を!?」
「まさか」
六人は皆それを否定しようとする。だがデスマスクはその六人に対して言うのだった。
「相手は何だ?ベルゼブブだぞ」
「ええ、そうですが」
「それで蝿ですか」
「ベルゼブブの姿はな、巨大な蝿なんだよ」
デスマスクは語る。
「蝿ですか」
「元々はな、メソポタミア辺りの神様だったんだよ。それが変わり果ててそうなったんだ」
「そうだったんですか。神様ですか」
「あの連中は大概そうさ」
狂闘士達をさしての言葉だった。
「元々は神様や天使だのでそれが変わり果ててな」
「ああなっていると」
「それでアーレスの下にいるってわけだ。戦いにだけ己を見出してな」
「何か俺達とは全然違うんですね」
「そこんところは」
「あの戦衣か」
デスマスクはそれについても言及する。
「見ればわかるだろ。あの赤をな」
「血塗られた赤」
「それが奴等の象徴そのものだ。戦いに餓えている証拠だ」
「そして血に」
「アーレスは戦乱と流血を司る神様だよな」
「はい」
これはもう言うまでもなかった。それが為に知られておりそのうえ忌み嫌われている神であるからだ。とりわけアテナとの対立は有名である。彼等が仕えているそのアテナに。
「だからだよ。あいつ等はその身を落としてもまだ戦いを忘れちゃいない」
「それでですか」
「また出て来たのは」
「いいか」
デスマスクの言葉が引き締まったものになった。
「気を抜くんじゃねえぞ。死にたくなかったらな」
「ええ、それは」
「絶対に」
「そういうことだ。じゃあ追撃を再開するぜ」
デスマスクの指示の下で彼等は進む。それが罠であると知りつつ。今はライプチヒの森を進むのだった。
第七話 完
2008・5・17
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