ピンチとチャンス
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を背中を守るように腕だけで後ろに突き刺します。それにより炎の魔法を放ったサクラのそれは、容易く防がれてしまいました。
「俺は一対多でも一対一でも戦えるように指導を受けている。そんな戦いでは、俺には勝てない」
感情を高ぶらせることなく淡々と言葉を発する彼に、背中を流れる冷たいものが感じます。この人、私たちより遥かに戦い慣れてる・・・!!
シェリアside
「天神の・・・怒号!!」
空気を吸い込み一気に放出させる。一直線に迫ってくる黒い風を前に、坊主の彼はジャンプで飛び越える。
「甘いわ!!」
「!!」
しかし、それは恐らく悪手となるでしょう。体の自由が聞かない空中。そこに自ら飛び込んできた敵に突撃するのは、翼を持った白髪の少女。
「ハァッ!!」
体を一回転させて飛び蹴りを打ち込もうとするシャルル。これを逃げることができるのは、彼女と同じく翼を持つ者か、よほどの身体能力がある人だけ・・・
「よっ」
「え?」
そう思っていると、彼はシャルルの突き出した足に手をかけ、二段ジャンプのような形で彼女を飛び越える。
「墜ちなよ」
それも、下になったシャルルの腹部に拳を入れ、あたしの攻撃へと突き落とすおまけつきで。
「きゃあああああああ!!」
「シャルル!!」
放っていたブレスをやめてすぐさま彼女に駆け寄る。敵は勢い余ったようで、近付いてくるあたしも飛び越え後方へと着地していた。
「ごめんシャルル!!大丈夫!!」
「えぇ・・・なんとか・・・」
口から流れる血液を拭いながら、肩を掴んでゆっくりと立ち上がる少女。直撃したように見えたけど、中心じゃなくて端の部分だったからそこまでのダメージはなかったのかも。
「仲間割れか?面白いな」
「あんたのせいでしょう!!」
決してシャルルを狙って攻撃したわけではない。彼の機転により彼女に攻撃が当たってしまっただけ。向こうもからかって挑発しているのはよくわかるんだけど、やっぱりそれに乗ってしまうところがある。
「天神の舞!!」
男を包み込むように台風のような風を巻き起こし、空へ打ち上げようとする。だけど、彼は横に体をずらしながら回避してあたしたちに突っ込んでくる。
(シャルルは動けない。ここで受け止める!!)
ケガをしたシャルルを治す暇も、彼女を抱えて避ける余裕もない。ここは敵の攻撃に対抗するしかない。そう腹を決めて魔力を集中させます。
「毒爪!!」
爪のような形をした武器で引っ掻くように切りかかってくる。たぶんトビーと同じような攻撃だと思うから、ガードして防ぐのはダメ。
「天神の|北風《ボレ
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