ピンチとチャンス
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ディさん!!」
何が起きたかわからず斬られた箇所を抑えて顔を歪める。イネスさんの方を向くと、彼はカマを担ぎ直しているところで、私たちは驚愕することしかできません。
「早いですね、あの人」
「うん。全然見えなかったよ」
意識していたはずなのに、気が付いたら攻撃を受けていました。それも、予想外のところからではなく真っ正面からの攻撃だったので、相手の速さがどれだけすごいものか簡単に理解できます。
「見た目のわりにすごいですね!!」
「おい、聞こえてるぞ」
なぜか嬉しそうな表情で敵を見ているサクラを見て苦笑いするわたしとイネスさん。無邪気というか、ノー天気というか・・・
「でも大丈夫です!!私も速くなりましたから!!」
彼女はそう言うと腕を激しく振るって魔法陣を書き上げていきます。シリルとトレーニングしたこともあり、あっという間にそれを書き上げたらしく、腕を止めたところで周りに文字が浮き上がってきました。
「ほう」
「いっけぇ!!」
それを見て感心したように声を漏らした敵。サクラは彼に向かって腕を押し出すと、魔法陣から無数の武器が放出されました。
「フンッ」
全方面からの攻撃にどのように対処するのかと見ていると、イネスさんは重たそうな武器を軽々と持ち上げ、やみくもに振り回し始めます。
(いや、ちゃんと武器を的確に壊しているの?)
適当に振るっているのかと思っていましたが、どのスイングも計算されているようで無数の武器が次から次へと叩き落とされていきます。
「こんなところか」
やがて地面にカマを突き刺し一つ息を付く目の前の男性。その周りには落とされた武器が飛び散っており、しばらくすると行き先を失った無数の武具は消滅する。
「ムムム・・・動きが良すぎる・・・」
あれだけの攻撃を凌いでも息一つ乱れることのない敵には驚愕するしかありません。彼は首をコキコキと鳴らし、重たい武器を持ち上げ槍のように構えます。
「サクラ!!来るよ!!」
「はい!!」
距離が詰まっているとあの武器の威力の餌食になってしまう。でも、あれなら少し離れれば届くことはないんじゃ・・・
ダンッ
そう思っていると、彼は地面を強く蹴り一瞬のうちに間合いを詰めてきました。
「フンッ」
「きゃあああああああ!!」
目と鼻の先にやってきた彼の武器に凪ぎ払われる。運良く刃の直撃は免れましたけど、それでもこの威力。私は近くの木々に飛ばされてしまいました。
「このっ!!」
文字が少なめの魔法陣で速度を重視したサクラ。彼女は私に攻撃して後ろがガラ空きの相手の背後に回り込み攻めに出ます。
「フッ!!」
しかし、彼はそれを読んでいたらしく、振り切ったばかりのカマ
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