ピンチとチャンス
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第三者side
白い雪が吹き荒れる極寒の地。その場所で向き合っている青年と少年。
「「・・・」」
互いに敵を見据え、一切の隙を見せない。そのそばでは猫耳を生やしたオレンジ色の髪をした少年がせっせと雪を盛っており、まるでそれぞれが別世界にいるようである。
「ハァッ!!」
最初に動いたのは長髪の、顔に模様が描かれている男。彼は腕を上に突き上げるようにすると、レオンの足元から光が放出される。
「封印の氷地獄」
それを見た氷の神は避けようとは一切しない。平然とした姿のまま腕を横に振るうと、地面から打ち出されようとしている強大なエネルギーの塊をあっさりと凍らせる。
「パワーはそれなりにあるようだな」
「その辺には自信があるよ」
激しくぶつかり合うような戦闘ではなく、まだ相手の実力を探っている状態の二人。両者ともに仕掛けるタイミングを探っているのか、なかなか動きを見せない。
(向こうは冷気耐性があるのか?ないならしびれを切らして突っ込んできそうなもんだけど・・・)
敵に隙がないため迂闊に動けず、そんなことを考えていることしかできない。自分も吐く息が白く、気温が低いのは分かりきっているが、寒さには耐性があるためギリギリまで状況を伺うことができる。
「・・・」
しかし、一方の相手にも動きがないことに不思議を感じずにはいられない。使っていた魔法が氷属性ではなかったように少年は感じたため、この状況下で仕掛けてこないメリットを把握できないのだ。
「えっほ、えっほ」
静かな駆け引きが続けられるその脇で、どんどん雪を積み上げていきかまくらの土台を作っているラウルの足音だけが響き渡る。どちらが先に集中を切るか、そこが勝負の鍵を握っていた。
ウェンディside
私とサクラが肩車しても全然届きそうにないほど大きな体をした男性を見上げ、いつでも動き出せるようにしておきます。エルフマンさんを彷彿させる彼は、自身よりもさらに巨大なカマをガッシリと掴みこちらを見下ろします。
「失われた魔法の天空魔法にオーソドックスな魔法陣使用型か」
「「!!」」
すると、私たちを見据えた男性はそう言います。まさかさっきまでのわずかな時間で私たちの魔法を見極めたってことですか?すごい観察力です。
「治癒力はいいものを持っているが、それは自分にかけることはできるのか?」
ガッシリと握られたカマを横に倒していく彼を見て、攻撃が来ると直感的に感じます。それに対抗しようと構えを取りますが・・・
ザシュッ
「え・・・」
私の左腕から血が飛び散りました。
「ウェン
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