659部分:第九十四話 最強の聖闘士その六
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絶対の断言であった。
「貴様等を導く光なのだ。絶対のな」
「曇りのない光か」
「神は過ちを犯すことはない」
その言葉は続く。無謬であることを確信している言葉はだ。
「アーレス様は特にだ」
「アテナもまた光」
童虎もそれは言う。
「しかしじゃ。優しい光じゃ」
「光は光ではないか」
「違う。じゃがそれは御主にはわからん」
こうキュドイモスに告げるのだった。
「何があろうともな」
「わかる必要もない。それではだ」
「帰るか」
「長い話だったがな」
踵を返しての言葉だった。
「これでトラキアに帰るとしよう」
「また会うことになるな」
「貴様を倒すのは私だ」
背中越しに彼に告げたのだった。振り向くことはない。
「あの時の聖戦から決まっていることだ」
「ではじゃ」
「また会おう」
最後の言葉だった。
「それまでその首は預けておく」
「うむ、またな」
別れは互いへの最後の言葉ではなかった。二人の闘いも一先終わっただけであった。しかしそれは次の闘いの前の休息に過ぎなかった。
第九十四話 完
2010・2・13
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