暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
11eyes 〜それは友と明日のために〜
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れる!


「ローゲ・・・フィンガー!!!」



ゴゴォ!!!



三つの火炎玉が「奴」に命中し巨大な爆発を起こして、蒔風たちの肌をチリチリと熱した。


「すっ・・・・・ご」

「やったか!?」


煙の中から「奴」が落ち、アブラクサスが再び鎖を伸ばす。


だが「奴」はそれを避けて掴み、ブチブチと引きちぎった。
その衝撃に菊理が小さな悲鳴を上げてアブラクサスを下がらせる。


「ったく・・・・蒔風の獄炎弾レベルだぞ・・・・」


そういう「奴」の身体はユラユラと霧を吹き出している。
かなりのダメージだったようで、その息も荒い。


「はっ・・・ははは!!どうした!?・・・・まともな攻撃できるのは田島賢久だけか!?」

「それは・・・どうかな!?」


ゴゴゴゴゴゴッ!!!


美鈴が人型に切られた紙を飛ばす。
それは力の込められた式神であり、彼女の意志に呼応して、炎を生み出し、「奴」を襲う。


「千歳(ちとせ)の儔(ともがら)、火車切広光(かしゃぎりひろみつ)!!!」


その隙に草壁五宝・火車切広光を術で呼び出し、その剣身に力を込めて切りかかる。

「護身破敵とともに、禍災を除かむることを請う―――神隠す十拳(とつか)の如く火産霊(ほのむす)び、火車来々、焔羅に送られん・・・・・」


美鈴の詠唱。
それに伴い、火車切の刀身が赤く灯り、高温の刃となって「奴」に迫る。

「壱の閃!!!」

轟ッ!


「弐の閃ッ!!!」

ギキィ!!!


「参の祓!!!」

ガァン!!!!!



高温斬撃による三連撃。
一撃一撃が必殺級で、しかもその威力は段階で気に上がっていく。

だがしかし、それだけでとれるほど「奴」は甘くない。


「な・・に・・・」

「なかなか。だがありきたりだな。フゥッ!!」


「奴」の気合とともに、足元から黒き波動が噴き出し、美鈴を吹き飛ばした。
そして倒れた彼女に向かって剣を抜き、串刺しにしようと突進する。


だが


「させるか!」

駆が劫の目による情報で先読みし、「奴」の攻撃を弾いていた。

無論、駆に「奴」を止めるだけの力はない。
ないのだが

「先読みの力・・・未来を見る目か。しかも俺の一撃を自分の力の範疇でいなすことのできる大民具、角度まで導き出すか・・・厄介な。でも」


ズォッ・・・・・!!!!!



「ならば、見える恐怖を知れ」

その瞬間、駆の右目が光り、未来(さき)が見えた。
一瞬にして駆を、「奴」の腕が分身したように迫り、突き貫こうとする映像だ。


「あ・・・ぐっ!!!!」


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