暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
11eyes 〜避けられない戦いがある〜
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はこんなにも愚かなのか・・・・・



「壁の高さは約三メートル」

「厚さは十五センチと言ったところか?」

「なぁ・・・いいのかこれ?」


訂正、一名冷静な男がいました。


「なあ駆、考えてみろ。普通浴場作ってさ、露天でもないのにこんなふうに上の部分が開いてるなんておかしいと思わないか?」


蒔風の言葉どおり、この浴場は女湯と男湯に分かれており、銭湯のようにそこを仕切る壁の上部は空いている。



「普通はあそこを塞ぐ。だが、あえて開けられてるのはなんでだ?」

「オレには見える・・・ここを立てた大工のおっちゃんの笑顔が!!そのサムズアップが!!!」

「お?おお?」


「これは行かねばならぬ。かの織田信長も、合戦と女湯、どちらを選ぶか本気で悩んだらしい(嘘です)」

「そうだぞ駆。目の前に牛がいて、それを喰わないライオンはいない。オレたちは・・・ライオンなんだ!!」

何かと言うと亀のような気がする。
出歯亀である。


「さて・・・いきますか?」

「おう!!」

「行くぞ!!!」


「まず桶を片っ端から集めろ。それから逃走経路の確保だ。この場の条件ではじっくり見ることは叶わない。おそらく!見た瞬間に見つかるだろう」

「へっ、そんなリスク、恐れるにあらずだぜ!!」

「だけど逃走先はどうする?屋敷の中は見つかるぞ?」

「こんなこともあろうかと!!あのテントちゃんと林の中に立ててきました!!!」

「つまり覗いた瞬間心のフィルムに焼きつけてから脱衣所に逃走」

「衣服を持って屋敷外に逃げ、テントに向かう」

「その通り。準備は怠るな。時間をかけ過ぎると彼女らが出て行ってしまう」


「蒔風!!準備はできた!!」

「逃走ルートに障害物は無い。劫の目で確認した」

「圧水でタイル、および全身の徐水終了。これで滑ることは無い」


三人がせっせと桶を積み上げ、覗けるほどの高さになり、その上に乗る。



「せーので行くぞ・・・」


「「「せーのッ」」」



バッ!!!!!



「おぉッ!?」

「これは・・・・」

「ばんなそかなッ!!」



「ラジカセ・・・だとっ!?」



女湯にあった物。それはラジカセだった。
そしてそれはいまもキャッキャウフフな桃源郷の音を流していた。


「この家は私の家だぞ?賢久が来るとわかっていた時点で、壁にモノを積み上げたらわかる術を仕込んでおいたのさ」



背後から声がした。
三人が桶の上から見下ろすと、そこには室内着に着換えた女性陣が。


「・・・・・・いや、なんとも熱いお風呂ダッタネ!!
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