IFエンド 「シュテル・スタークス」
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た……けれど、あなたは魔導師としての道も捨てなかった。正直に言えば、あなたが六課に出向すると聞いたときは悲しかったんですよ」
すぐに話すことができなくなるから。……いえ、それもあるでしょうが最大の理由は別にあります。
「もしもあなたが怪我をしたらと思うと……怖くて怖くて仕方がありませんでした。最終決戦に臨む時も本当は止めたい気持ちがありました。一緒に戦場に赴きたいと思いました。ですが……あなたはそんなことで止める人ではありませんし、ブランクのある私が戦場に赴いても場合によっては邪魔になるだけ」
だからこそ……ショウからファラ達の強化パーツを用意してほしいと頼まれた時、私は持ちゆる技術を全て使ってあれを作った。結果的に言えば、その甲斐もあって彼は最後まで戦い抜くことが出来ました。
「けれど……あなたが決戦後に入院した時は自分の判断を後悔しました。たとえブランクがあったとしても、戦場に出ていればあなたの負担を減らすことはできたんじゃないか、と。……まあ、今から言っても仕方がない事なんですけどね」
でも……そんな風に思うのと同時に、他の誰よりもショウにいなくなってほしくない。そう思いました。多分あの日が私が私の想いから目を背けることが出来なくなった日なのでしょう。だからディアーチェに気づかれてしまって喝を入れられてしまった。
とはいえ、それは感謝すべきことなのですがね。……思いっきり叩かれたことに関しては今にして思うと思うところがないわけじゃないですが。
自分の気持ちを吐き出すことで冷静さを取り戻した私は、ショウから静かに離れる。
すると視界の中に白い何かが映った。コンタクトレンズが外れてしまっているのでぼやけているが、状況からして考えるものはひとつしかない。
天から舞い散る雪が増えていく様は、私にはこの最終決戦の幕引きを伝えているように思えた。
「あれこれと言ってしまいましたが、私が伝えたいことはただひとつ。私があなたのことを想っているということです……私の想い、受け取ってくれますか?」
両手でしっかりとチョコを持ってショウへと差し出す。はにかみながら出すことが出来たのは、全てを吐き出したことですっきりしているからなのかもしれません。たとえ受け取ってくれなかったとしても私は立ち直ることが出来るでしょう……少しの間は泣いてしまったりするかもしれませんが。私だって女の子なんですから。
「冗談じゃ……ないんだよな?」
「はい」
「俺なんかで良いのか?」
「あなたが良いんです」
交わる視線。
私の瞳に映る漆黒の瞳には、戸惑いや緊張といった色が見える。でもそれは当然のことだ。もしも立場が逆だったなら私だって似たような感情を抱くことだろう。
永遠にも等しいわずかな静寂の後――私の手
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