IFエンド 「シュテル・スタークス」
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えはありませんよ。
「だから言葉にしろって言ってるだろ。機嫌が良くないのは目を見れば分かるが、何でそこまで機嫌が良くないのかは……いや、やめておこう。寒空の下でこんな話ばかりしてても体を冷やすだけだ。シュテル、今日は何の用で呼び出したんだ?」
私達らしい楽しい会話をしているというのに本題に入るとはいけずな人です。確かに寒さは感じますが、私は緊張のせいでぽかぽかしているというのに。まあ一応心配してくれている気もしますので今回はあちらに華を持たせてあげることにしましょう。
「やれやれ……毎年のように今日は顔を合わせているはずなのに分からないのですか?」
「毎年? ……あぁ、チョコか。普段はあれなのにお前ってそういうとこ律儀というか真面目だよな」
普段はあれ……私の振る舞いも悪いのは認めますがこの人に言われるのは何だか癪です。そっちだって普段からそんな言い回ししかしないのですから。過度な緊張から解放されたので感謝しないでもないですけど。
「そういう言い方をされると渡す気がなくなるのですが?」
「それならそれで俺は一向に構わないが?」
……そうですよね、あなたはそういう人ですよね。
これまでならば本当に必要ないんですか、などとあっさりと返答できていただろう。しかし、今年に関しては今まで胸の内に秘め続けていた想いを伝えるために作ったチョコ。渡さなければ今日という日にショウを呼び出した意味がない。
「まったく……今までに何度も言われてきたとは思いますが、あなたのそういう発言は意外と人を傷つけているのですよ。無論、私だって例外ではありません……し、市販のものではないのですよ」
おお落ち着きなさい、落ち着くのです。別にまだ告白をしたわけではありません。
ある意味告白に取られてもおかしくない発言をしていますが、これまでにその手の言葉は口にしてきました。まだ告白と取れることはないはずです。それはそれで面倒というか緊張する時間が延びるので嫌なのですが……まあ悪いのはこれまでの私でしょう。
「だ……誰のために作ったと思っているのですか」
や、やばいです。これは非常に不味いですよ。
このまま告白みたいな流れになっているだけに私の緊張がピークに達しようとしています。想い人にここ告白することがこれほどまでに大変なことだとは……予想はしていましたが、これは予想を遥かに超えています。
「シュテル?」
「――っ!?」
私の様子がおかしくなったことを心配したショウが近づいたことで、私は思わず後ろに下がってしまう。ただ運悪く、寒さによって地面が凍っていたらしく足を取られてしまった私はバランスを崩して転倒。チョコは守りきることが出来ましたが、衝撃で付けていたコンタクトが落ちてしまった。
「おい
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