IFエンド 「シュテル・スタークス」
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たと思っているのですかシュテル・スタークス。もう迷わないと、逃げないと決めたはず。だからこそ、彼を……ショウをここに呼び出したのではありませんか。
私が今立っているのは、かつて日付が変わったばかりの時間帯に呼び出したことがある公園。私が初めて自分の本当の気持ちを表に出した場所。あのときはまだ今ほど彼への想いはありませんでしたが、それでもあの頃は私は彼のことを想っていたのでしょう。
「ですが……」
私は自分の気持ちを言葉にすることが出来なかった。ショウと共に暮らし、同じ場所で仕事をして隣に居ることが多かったというのに……。
最初出会った頃は私と似てあまり話さない子だと思っていました。
けどレーネの計らいで共に過ごすようになってから、ショウにも大切な人が居るのだと分かり……その人に危険が迫れば自分の身がどうなろうと突き進む強さを感じた。友のため、家族のために行動を起こせるのは素晴らしいものです。
しかし、同時に私は怖かった。
この人は血反吐を吐くことになったとしても、心は擦り切れそうになったとしても前だけを見据えて進んでしまう。人のためならば自分のことを度外視して行動してしまう。
それは心が強いからこそ出来ることではあります。ですが、もしも命を落とすようなことになってしまった場合……残された者はどうなるのです。誰もが傷を負った状態で上を向いて歩いていけるわけではありません。
「……もしもあのとき……シグナムがショウを手に掛けていたとしたら私はどうしていたのでしょう」
私の呟きに返事をする者はいない。ただ月が優しく照らしているだけ。
……言葉にするだけ無駄ですね。すでに過去の出来事であり、そもそも私の気持ちが私以外に分かるわけありません。故に……きっとあの日、もしもシグナムの行動が違っていたなら私は全力を持って彼女を滅していたでしょう。
そう思うのは、あの日以上に私が怒りで我を忘れそうになった日がないからです。まあ感情の波が大きい方ではないので滅多に怒りという感情は湧かないわけですが。知人には湧かせているとは思いますが、それはスキンシップの一環なので今は考えないでおくことにしましょう。
「……やれやれ、何故こうなってしまったのでしょう」
もしもショウがレーネと繋がりがなかったのなら。もしも私がスタークス家に生まれていなかったのなら。もしも私が技術者ではなく魔導師としての道を選んでいたのなら……今日という日はなかったのでしょうか。
……いえ、きっと私はどんな道を選んだとしてもショウと出会い……そして、彼に惹かれたのでしょうね。
ショウに対する私の想いの強さ。それは私の想いではないのではないかと思えるほど強い感情です。例えるならば激しく燃える炎でしょう。何故こんなにも彼に惹かれてしまうの
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