暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
策謀・計略悲喜こもごも
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
で。」

「あらら、ご挨拶だねぇ。今日は大使の護衛でね。」

 同期の提督、クルツ。前にも出てきたから覚えてる人も居るかな?駆逐艦大好きのプロリコン(プロのロリコン)親父だ。そういえば元駐日アメリカ軍のお偉方だったっけ。

「だから、情報合戦に必死だなぁ……と思ってな。」

「成る程、ネ。中国とロシアか。」

 会場内の参加者は国際的なパーティというだけあって様々な国の人間が混じっている。日本、ドイツ、イタリアの海軍が軍事同盟を結んでいる国を始め、日本と友好なアメリカ、艦娘の劣化コピーを作って配備しようとしている中国、海軍列強として復活を狙っているロシア。特に中国とロシアは深海棲艦との繋がりが噂されている。今回の一連の破壊工作もこの二国のどちらかが関わっている、というのが俺の読みだ。

「ふ〜ん、随分とブラックな話だ。」

 豪華絢爛な光に包まれるパーティ会場。光が強ければそれだけ、影の濃さも強くなる。

「それに、VIPに紛れ込んでネズミが数匹。」

「……産業スパイ?」

「あぁ、あっちでウチの奴等を口説いてる中にも混じってる。」

 視線を送った先では足柄と那智が複数の男に囲まれて口説かれている。足柄は満更でもなさそうだが、経験の少ない那智は戸惑っているようだ。あの群がる男達の何人かは、軍事産業系の企業のスパイだ。艦娘の艤装等に関してのデータを盗み出そうってハラだろう。

「助けなくていいのかい?」

「大丈夫だろ、外にゃ憲兵が張ってるし。何より、俺は残業が嫌いなんだ。」

「……そうだった、キミはそういう男だったね。」

 金剛はクルツが連れていた文月と皐月と楽しげに話していた。

「そういや、雷と夕雲はどうした?」

「今日は鎮守府の仕事が忙しいから、他の娘に構ってもらいなさい!ってさ。」

 ヤレヤレ、といった具合に頭を振るクルツ。

「ハハハ、尻に敷かれてるワケだ。」

「彼女達の尻に敷かれるなら本望だよ、色んな意味で。」

 相変わらずブレねぇな、このおっさんも。




「そういや聞いたぞ?ついにアメリカでも艦娘の建造に成功したって?」

「耳が早いな。……少し外で話そう。」

 何やら聞かれたくない話でもあるのだろうか。俺とクルツは講堂の外に出て、タバコに火を点けた。これで周りからは煙草をふかしているようにしか見えまい。

「で?艦種は何が出来た。駆逐艦か?軽巡か?」

「いいや、戦艦だ。戦艦『アイオワ』。」

 まさか初の建造が戦艦……それもアイオワとは。まぁ、ある意味米海軍を象徴する戦艦だから当然と言えば当然なのか。

 なにしろ1943年の就役から1990年の退役まで、実に半世紀を戦い抜き、今も博物館としてその形を留
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ