暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
策謀・計略悲喜こもごも
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れ隠しにそんな言い方をしたが、恐らく顔が赤くなっている。その証拠に、俺と腕を組む金剛の顔には囃し立てるようなニヤニヤ笑いが張り付いていて取れなかった。

 パーティ会場に指定されていたのは集会などを行う為に作られた講堂だった。そこがパーティに相応しいような豪華な装飾をされていた。真っ赤な絨毯が床一面に敷き詰められ、照明はシャンデリアと交換されている。所々に食事の乗せられた丸テーブルが設置され、壁際には仮設のバーカウンターが備え付けられていた。席は無い。恐らく立食形式のパーティなのだろう。

「ま、わかってるたぁ思うがココも公的な場だ。楽しんでも良いが羽目を外しすぎないようにな。」

 全員がコクリと頷く。その辺りは流石に弁えているだろう。

「んじゃ、俺からは以上だ。後は好きにやってくれ。」

 そう言うと艦娘達はそれぞれに自分の好きな飲み物や食べ物の所に散っていった。

「まぁ、たまには作る側じゃなくてもいいか。」

「そうネー、たまにはテートクも一緒にパーティを楽しむデース!」

 そう言って金剛が左腕に抱きついて来る。嫌な重みではないから、まぁいいか。




 取り敢えず飲み物を取りに行くか。その辺を回っているウエイターからシャンパンを……でもいいが、折角だしカクテルを貰おうか。俺は金剛と連れ立って手近なバーカウンターへと向かう。

「いらっしゃいませ。何に致しましょう?」

「ウォッカ・マティーニとアレキサンダーを。」

「畏まりました。」

 そこに立っていたバーテンダーは随分と若そうだ。作る手捌きもどこかぎこちない。見ると、海軍の紋章が入ったベストを羽織っている。成る程、新人の見習い提督を労働力として駆り出してるワケか。シェイカーの振り方も雑で、あれでは氷が中で砕けて混じってしまいそうだ。

「お待たせしました、マティーニとアレキサンダーです。」

「ありがとう。……あぁそれと、も少し肩の力を抜け。そんな振り方じゃあ折角の酒も不味くなっちまうからな。」

 俺はニヤリと笑ってチップを渡した。その間に俺の名刺を挟んで。アレを見たらあのバーテン君はビックリするだろうか?そんなことを考えながら、マティーニを一口啜った。…ふむ、味は悪くねぇな。酒の良さのお陰か。

 その後はテーブルにある数々の料理を試食して回った。和洋中だけでなく、イタリア、フランス、ロシア料理など多岐にわたる種類だ。少しは腹が満たされてきた頃になると、会場内の様子も窺い知れて来る。

「成る程ねぇ、お国の為とは言えご苦労なこって。」

「何が『お国の為に』なんだい?」

 懐かしい声に振り向くと、見知った面が娘ほどの年頃の二人を引き連れて笑顔で立っていた。

「クルツか。何やってんだこんなトコ
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