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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#37
星魔の絶戦 千変VS星の白金X〜Native Stranger〜
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本気で有ったが 「全力」 ではなかった。
 自身の姿を自在に変貌出来る能力、その特性を十全に(まっと) うするならば
何も最初から「人型」 で在る必要はない。
 寧ろ平時の状況から異形を執り、ソレを更に変貌させた方が
威力、精度ともに比較にならない戦果を生み出す。
 シュドナイが “真の姿” を晒すのは数千年の生涯の中で実に数えるほど、
コノ姿を視て生きている者は殆どおらず唯一例外的にマージョリーの存在が残るのみ。
 しかしそれすらも戯れの域を出ず、
本気で殺しにかかった者の生存率は完全なるゼロ!
 敵も味方も見境無くただ滅ぼし尽くす、
破滅の化身が如き姿を 「人間」 に晒すのは、
これが初めてであろう。
 それだけシュドナイが、出逢って半刻に充たない 『男』 を認めたというコト。
 血を肉を、魂すらも闘争の廻転刃に幾度も晒し、
忘れていた真意を目醒めさせた事実に 「感謝」 していたというコト。
 正々堂々、酷薄無情、しかしその 「公正」 さ 「神聖」 さこそが
永きに渡る殺戮の日々の中、決して至る事の出来なかった領域へと高めてくれた。
“だから全力で殺しにかかる”
 それが余りにも理不尽、絶望的戦力差だとしても遠慮はしない。
 決着は、余りにも呆気なく訪れるだろう。
 だがその 「無為」 の随に散る存在を、(オレ)は永遠に忘れるコトはない。
「……」
 猛獣の胸部、装甲に等しき肉の凝塊に、楔形の光紋が浮かんだ。
 鋼鉄すら柔土の如く握り潰す手が、その光の裡から決して歪まぬモノを
力強く抜き出す。
 魔の奇術、邪の幻術、何れの形容を以ても充たない、
余りにも畏るべき存在が雷獣の手に握られる。






   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!





 その 『宝具』 は、シャナの持つ “贄殿遮那” をも色褪せる
存在感と威圧感を伴って承太郎の瞳に映った。
 躯から出てきたにも関わらずその全長は雷獣の巨躯を優に超え、
錯覚を引き起こすほどに歪みなく直立した刀身から幾重もの副刃(そえば)が群がり、
ソレが極刀(かたな)とも剛槍(やり)とも識別のつかない異様さを醸し出す。
 常時冷水に濡れているようなシャナの愛刀とは対照的に、
シュドナイの握る剛槍 (便宜上こう表記する) は
獄熱の溶岩に焼かれているような色彩を宿す。
 どちらも同じ鋼にも関わらず受ける印象が全く違う。
神 鉄 如 意(しんてつにょい)
 嘗て西方の荒神が、極東の闘神が揮ったと “云われる” 極絶の魔器(マギ)
 しかしそれは二つの災厄が同時存在する事実に常人の精神
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