第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#37
星魔の絶戦 千変VS星の白金X〜Native Stranger〜
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深奥から紫色の濁流が飛び出してくる。
グワアァァァッッッッ!!!!
身を蝕む甲虫ごと承太郎とスタープラチナは炎渦の直撃を受け、
文字通りの火達磨となって背後へ飛ばされる。
一度火が点けば人間はよく燃える、ましてやスタンドと同時に受けた
双 被 弾先刻の優位を帳消しにする致命的損傷。
第三の物語の終了、青年と少女の永き旅、その終結、
そう断じるに疑いのない確信をシュドナイが口元に刻んだ瞬間。
『オッッッッラアアアアアアアアァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!』
断末の響きを伴って、スタープラチナが最後の一撃を繰り出した。
殲滅すべきシュドナイにではなく守護するべき承太郎に向けて。
ガギィッ! 火に包まれながらも十字受けの構えを執った本体、
腕の交差部にスタンドの拳が精密に撃ち込まれる。
打撃面ではなく背部へと突き抜けるような、スピードとキレが融合した一撃。
これにより本体は右斜め方向へ、法則によりスタンドも引っ張られて
熱帯の樹木の間を炎の塊が駆け抜ける。
ヴァッッッッジュオオオオオオオオォォォォ……!!!!!!
官能的な響きを以て、炎の蒸発音と白い靄が濛々と立ち込めた。
300メートル飛ばされた先にある運河、着水地点の水量は眼に見えて激減し
周囲の温度も沸騰して地獄釜のように気泡が噴き出している。
その水面に立つ、熱泉に洗われたスタンドと薫る雫を滴らせる無頼の貴公子。
火に炙られた傷痕が、それを打ち消した機転が、否応なくその勇姿を際立たせる栄耀。
あと数秒遅れていたら、スタンド以前に 「本体」 の呼吸器官が焼けて
声も出せずに絶命していただろう。
予測の出来ない窮地にも困惑せず、合理的に突破口を見いだす不動の精神。
闘いに燃え滾っていてもその冷静な根幹は失われない、
相反した要素を併せ持つ 『スタンド使い』 空条 承太郎のみが持つ特性。
(やれやれ、場所が此 処で助かったぜ……
東京にゃあここまでキレイな川はねーし、
最悪地面でも掘って消火するしかなかった……
チンケな炎で終わりじゃあ芸がねーだろう?
どこぞのイカれたポーカーじゃねーんだしよ)
鋭く蹴る水面、大きく拡がる波紋、軽やかに着地した
水蒸気に煙る運河沿いに過ぎる影。
全霊を尽くして戦うべき男が、その背に蝙蝠の如き翅翼を拡げ雄壮に舞い降りた。
胸に刻まれた十字傷は消えていない、繰り返される流法絶技の繚乱が
とうとうシュドナイの再生力を上回った。
しかし承太郎に気負いも、シュドナイに焦りも微塵すら浮かばない。
出来て当然、追い込まれて当然、そんな、奇妙な
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