第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#37
星魔の絶戦 千変VS星の白金X〜Native Stranger〜
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疵痕を “千変” に刻む。
肘は人体で最も硬い部分の一つ、
スタンドとは云え 「人型」 ならば機能に違いはなく、
寧ろ能力に拠ってその特徴は強化される。
ましてや肘打ちは至近距離での攻防に於いて最も威力が高い技、
ソレが流星の流法となればその脅威は推して識るべしであろう。
コレにより、勝利の天秤は大きく空条 承太郎へと揺れ動いた。
互いに剥き身の真剣勝負、競技ではないので一度傾いた形勢を
ひっくり返すのはほぼ不可能。
渾身の流法無防備への直撃のため、
この後シュドナイは(倒れないにしても)大きく体勢を崩すのは明白だった。
後はただの一方的な殲滅劇、強音速のラッシュが秒間1000ダースで
全身の至る所に降り注ぐ。
“その筈だった”
「――ッ!」
だがシュドナイは仰け反った躯を強引に意志の力で繋ぎ止め重力に反逆、
口元に笑みさえ浮かべ止めを見舞う承太郎を見据える。
しかし終撃の動 作に入っているため威嚇にもならない、
このまま大地の処刑台に磔られ幾千の破片へと撃砕されるしかない状況。
その刹那。
ガグンッ! 唐突に、突進の勢いがスタンドから抜けた、
細胞の内側から力そのものを殺がれたかのようだった。
同時に感じる、怖気にも似た神経を喰い絞る苦痛。
「――ッ!」
スタープラチナは疎か本体である承太郎の躯至る所に、
原始生物の如き甲虫が張り付いていた。
硬い外殻の内側、節くれ立った裏面に中世拷問器具を想わせる刺束状の突起が
びっしりと生えており、消化液に塗れたソレが醜悪にも合理的に肉を溶かす。
先刻、流法の連撃を受けたシュドナイの窮地は
“同時に好機でも有った”
自らの存在を瞬時に恣 変貌出来る “千変” の能力。
それは何も “身体のみに” 限った事ではなく引き裂かれた肉や服、
血の代わりに飛び散った炎までも含まれる。
つまりシュドナイ本体から生み出されたモノなら
身体を離れても変貌可能であり、その精度も本体が近ければ減退しない。
攻防一体の戦陣としてコレほど顕著で極端な能力も珍しいだろう、
何しろ受けたダメージすらも反撃となりソレは相手の攻撃が
強ければ強いほど数を増すのだから。
正に肉を切らせて命を喰い千切る、
数多の戦場を馮河せし猛将のみが会得出来る修羅の闘法。
噴き出す血すら武器にする凄惨なる精神。
「ぐっ!? があああぁぁぁッッ!!」
魔の甲虫に肉を搾られ、刺束の隙間から鮮血が流水状に吹き出る。
傾いた天秤が逆方向へ、スタンドパワーを爆裂させて甲虫を吹き飛ばそうとした
承太郎の眼前でシュドナイの胴体がバカリと開き、
顎の
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