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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#37
星魔の絶戦 千変VS星の白金X〜Native Stranger〜
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【1】


 人の形容(カタチ)を棄て去った二匹の獣、
相手の喉笛を喰い千切るのではなく存在スベテを貪り合う、
その壮絶な闘 争(コロシアイ)は極みに達していた。
 歪んだ次元の狭間から貌を覗かせる神域の裁定者、
ソレすら眼中になく白金のスタンドパワーと紫色の存在力が
空間で迸る。
 舞台は再び大地、先刻の全勢力を振り絞った撃滅戦(ラッシュ)で決着は付かず、
しかしその相剋により周囲のビル軒並み真っ平らにして、
遮蔽物なき荒涼とした空間で二人の男は対峙した。
 どこから沸く力なのか? 頭上の超存在が注ぎ込んでいるのか?
何れにせよ無限を想わせる勢いで噴出する気炎を自身ですら持て余す。
「……」
「……」
 鬼神の如き形相で、相手の動向を窺う貴公子と異幻獣(キマイラ)
否、ソレは次に何処を喰らうか決めかねている羅刹の瞳孔か?   
 全力で互いの鎬を削るのも悪くないが少々()いた、
先刻までの戦いを防御も捨て去って真正面から素手で殴り合った激戦だとするならば、
コレから先の戦いは 『能力』 という真剣を抜いた剥き身の死戦。
 ほんの一瞬の躊躇、油断、神の悪巫山戯(わるふざけ)のような偶然でも即決着がつく。
 そんな、互いの喉元に刀の切っ先を突き付け
ソレを引き切る(タイミング) を計るような
危局極まりない戦況を二人は愉しんでいた。
 保身、留保、依存、そのような惰弱の代名詞のような概念は全て吹っ飛び、
あくまで自身の力のみを(よすが) とし裡に秘めし刃を研ぎに研ぐ。
 勝負は一瞬、それだけで互いのこれまでの道程が火花のように露と消ゆ。
 儚くも永遠に遺る炎。
「――ッ!」
 先に動いたのは承太郎、スタンドの右拳に宿りし流法(モード)は戦慄の轟撃
流 星 爆 裂 弾(スター・ブレイカー)
 三度同じ戦法とは無謀ではないか? 
しかし込めるスタンドパワーは通常の 「面」 ではなく “点”
破壊力を貫通力に特化し魔獣の包囲網をより強力に突破せしめる。
 一見両腕が使えるシュドナイが優位に想えるが
左側から “直線的に” 攻めてくるスタープラチナの軌道状
どうしても右は 「弧」 を描く動きにならざる負えない。
 超高速で接近する “流星” にこの時間差(タイムロス)は致命的と言っても良い、
繰り出される 『流法』 に魔獣の顎を合わせるだけでも神経が毟られるほどの
精密性を要求されるのだ。
 単純(シンプル)な戦形の中にも緻密で合理的な計算が働いている、
本能と理性の理想的融合、それが空条 承太郎の戦闘スタイル。
 




 グァギンッッッッッ!!!!!




 その不退転の特攻が硬質な反撥音にて制止された
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