暁 〜小説投稿サイト〜
μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第39話 勘違い
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詰められた。


「にこちゃん...ファンだっていうのは知ってたけど、そんなことまでしてたの?」
「だ、だってずっと好きだったんだもん!いいでしょ!」
「まぁそんなことは置いといて」
「置いとかれた!?」
「ふふっ、ちゃんと貴女にもいいところはあるわ。アイドルをするにあたって必要不可欠な、小悪魔?といったところかしら」

綺羅ツバサにそう褒められて(?)頬を抑えて気分が舞い上がる矢澤にこ。相変わらずの雰囲気に心なしか嫌悪感を覚えている。無理もない。何故なら...



「...笹倉大地君」


 さっきまでの声のトーンとは全然違う、簡単に言うと喉元に刃物を突き付けられたようなドスの利いたモノへと豹変していた。当然その変化に気づかない者はいない。あのにこでさえもぞわりと悪寒の走ったような表情になっていた。
 コイツと出会ったときから、こうなることは予想していた。だからこそ、さっきまでの雰囲気に嫌悪感を感じていたのだ。いつだ?俺は綺羅ツバサにいつ出会ったんだ?






「彼女たちがここまで成長出来たのは間違いなく君がアイドルのサポートとしてだけでなく、1人の友人として接し、支えてきたからだと思うわ。流石ね」
「......そりゃどーも」
「だけどね、」



と、彼女は言葉を繋げてこう言う。




「君がこうしてのうのうと遊んでる姿が、私は気に入らないわ」
「遊んでるだと?綺羅ツバサ、君は何を言ってるんだ?」




彼女の発言にカチンときた俺は壁に寄りかかるのをやめて、綺羅ツバサに詰め寄る。



「何様のつもりだ?スクールアイドルのトップかなんかは知らないけど、関わりの無い俺の、俺達の何がわかるんだよ──」
「関わりならあるわ、それも一度や二度だけじゃなくて、何度も」
「......」




俺の言葉を遮り、綺羅ツバサはそう言った。それと同時に肩が震えるのがわかる。そのエメラルドグリーンの瞳を見て、何処かで見たような錯覚に陥る。いや、錯覚なんかじゃない。何処かで俺は見た。



「私は......笹倉君がダンスをしていた(????????)ことを知ってるわ。それも、小学二年生の頃からやっていた、ということも含めてね」
「なっ!?」


背筋にぞわりと、冷たい線が走った。当然その事はあの時仲良かった希ぐらいしか知らない事実。なのにこいつはその事を知っていた。希以外のメンバーはざわざわと多分今日一番驚いたような顔をしている。穂乃果だけは驚愕の意よりも憤怒の方が強くて、膝に置いていた両手に力が入っているのがわかる。
不敵の笑みを浮かべた綺羅ツバサは紅茶を啜って足を組み直す。


「覚えてないかしら?笹倉大地君......
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