第39話 勘違い
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「....やっぱり、貴方達だったのね」
A−RISEというスクールアイドル界の頂点に立つグループのリーダー、綺羅ツバサはシンプルに、だけど淡々と言い放つ。その発言を経て、隣で俺を支える穂乃果は青ざめている。あの時の...ことりが留学する事実を知った時と同じように。
それを知ってるか否か、綺羅ツバサはふふっ、と微笑むだけでそれ以上は語らない。その様子を怪訝そうに伺っているμ'sメンバーを他所に、俺は言う。
「やっぱりって、なんの事ですか」
「....あら、まさか忘れた訳じゃないでしょうね」
「ダメだよ大くん、これ以上は聞いちゃダメ!」
いつもより強引な穂乃果に困惑する。こんなにも怯える穂乃果を見たことが無い。
「なんでだよ」
「なんでも!絶対耳を貸しちゃダメなの!」
「高坂さん、少しくらい話を聞かせて欲しいかな?」
「嫌です!」
頑なに首を縦に振らない穂乃果。しかし、それでも表情を変えずに『じゃあ、』と言葉をつなげる。
「いいわ。でもこれだけは言わせて頂戴」
「嫌だ!」
「穂乃果!!」
何か隠していることだけはわかった。拒絶する穂乃果を背中にやり、俺はA−RISEリーダーと対面する。
「まずは、自己紹介から...ですね」
「そうね。よくよく考えてみればまともに挨拶していなかったわ。μ'sのみなさんもごめんなさい。案内します」
言うだけ言って、綺羅ツバサはマスターに軽く会釈をして喫茶店の奥へ進む。それに続いて優木あんじゅ、μ'sメンバー、そして俺と穂乃果。この不穏な空気が物語っているのは何なのか。間違いなく俺の失った記憶のことなんだろうなぁ、なんて考えながら青ざめる穂乃果を引き連れてみんなの後をついていく。
── 第39話 勘違い ───
状況説明。
喫茶店の奥にあったのは10人以上も座れるような広々としたスペースを確保された一室。何故そんな宴会でも開きそうな広い部屋があるのかはさておいて。大きなテーブルを囲んでμ's9人とA−RISE3人の対談が始まった。ちなみに座る席が無いため、俺は壁に寄りかかって見守っている。
「私は統堂英玲奈。UTX高校3年だ。よろしく頼む』
と、あの場にいなかったA−RISEの1人は軽い自己紹介をする。物静かで冷静沈着な雰囲気は、ほかの2人には無い大人っぽさを漂わせていた。口調は堅いけれども俺たちから距離を取っているという訳でもなく、素があれなんだろう。そんな彼女に若干押され気味なμ's。とは言っても先程サインをもらったにこと花陽は満面の笑みを浮かべて彼女らの話に耳を傾けていた。
「まずは、急にこのような場に来て頂いて嬉しいわ。同じス
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