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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
653部分:第九十三話 襲撃者その八

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第九十三話 襲撃者その八

「アーレスもあの神々も我等人間を手駒、奴隷としか見てはいない」
「その通りですね」
 ムウが彼のその言葉に頷いた。
「それはよくわかります」
「アテナは我々人間を認めて下さっている」
「人は人だと」
「そこが違う」
 こう言うのである。
「全くだ」
「はい、それでは我々は」
「アテナの聖闘士として、人間として」
 カミュもまたこうした考えであった。
「戦うまでだ」
「そしてあの二人もか」
「そういうことだな」
 アイオリアはミロの言葉に応えた。
「今から」
「闘うのだな」
「御前達は何があっても動くな」
 闘いはシオンも見ていた。そのうえで今聖域に集結しているその黄金聖闘士に対して告げた。何があろうともといってであった。
「わかったな」
「はい」
「わかっております」
 そして彼等もシオンのその言葉に頷くのだった。
「若しあの二柱の神々がここに来ても」
「それでもです」
「我々は」
「それぞれの宮に留まれ」
 具体的な言葉だった。
「そして敵が来たその時にだ」
「そうさせてもらいます」
「その時にこそ」
「それではだ」
 また言うシオンだった。
「この闘いを見ておくのだ」
 今遂にであった。それぞれの拳と拳がぶつかり合った。
 凄まじいばかりの小宇宙がそれぞれ沸き起こりであった。黄金と赤の二つの光が乱れ飛ぶ。
 その中で四人の闘いが行われていた。まずは凄まじい拳の応酬であった。
「来たか」
「それならばだ!」
 デイモスとポポスがそれぞれ言う。
「我等としてもだ」
「その力を出そう」
「例え何があろうとも」
「我等は負けぬ」
 サガとアイオロスは二人並んで言った。
「この拳にかけて!」
「ここは通さん!」
「よし、ならばだ!」
「我等はだ!」
 両者のこぶしが激突する。聖域での戦いは今最も熾烈な一幕を開けようとしていた。そしてそれは聖域だけではなかったのである。


第九十三話   完


                  2010・2・10

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