絶望のロンド 前編
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以下でもない。てか、それ聞くある? 』
「おおありだ………。こんなことことに巻き込まれて、散々な目に合って…………もううんざりなんだよ…………どうして、俺ばっかこんな目に合わなきゃいけねぇんだよ? 」
『知らないよ。そういう運命なんじゃないの? 』
「ざけんなっ!お前が出てくるようになってから、ろくな目に合ってねぇんだよ!」
『ずいぶんな責任転嫁だなぁ。けど、夢の中の僕が何か出来るわけ無い。全部レイ自身の責任だ。
そう………………全部レイ自身が起こした問題だ。現にレイは、敵や仲間を沢山傷つけたじゃないか?仲間を助けるために仲間をね』
「っ────! 」
『その結果、君は独りだ。誰も仲間なんていない』
「っ…………黙れっ!! 」
『別にいいんじゃない?信頼関係も無く、仲も悪い。そして、差し出してきた手も拒絶した。これで仲間なんて言えるわけない。いや、そもそも関わる資格も無い』
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れっ!!! 」
「そして…………君には誰も助けられない。捕らえられていた女さえね」
「だ、ま、れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!! 」
男に向かって殴りかかったが、軽々とかわされて床へと叩きつけられた。
「ぐっ……! 」
『あはは。単純単純』
男は俺の上へと乗り、そのまま言葉を続けてきた。
『けどさ。これでもう何も気にする必要はないよ。余計なしがらみも取れて、君の好きなようにしていいんだ。何も考える必要もない。そうすれば、苦痛からも逃れられる』
「 !!俺の…………好きなように……」
『そう。そうすれば、すぐに楽になれる』
「ぁ………………」
『そして…………完全に壊れてしまえ』
最後に男が言った言葉は頭に入らず、放心状態となっていた。
…………もう、何も考えなくていい。もう、苦しむ必要もないんだな…………。
【なにやってるのアンタっ!逃げることなんて認めないわよっ!さっさと起き上がりなさいっ! 】
!?
突然聞こえた怒声。放心状態だったとしても、さすがに反応してしまう。
「…………誰だ? 」
【いいから立ちなさいっ! 】
「あ、ああ……」
身体に力を込め、上にいる男を退かす。男は驚いた表情をしながら辺りを見渡しているが、すぐに俺の事を見てきた。
『ちっ。邪魔が入ったか。まあいい。どうせ時間の問題だ』
ほとんどが真っ黒に染まった空間に靄がかかり、視界が霞んでいく。
『あっ、もう一つ言うことあった。今回の事で聞きそびれたと思うから言っとくけど、あの女から話を聞くのを忘れないように』
それだけ言うと、靄に包まれるように男の姿が見えなくなっていった。
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