651部分:第九十三話 襲撃者その六
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第九十三話 襲撃者その六
「強い者と闘い」
「闘いか」
「そして勝つことを無常の喜びとする」
その彼等の喜びを語ってみせたのである。
「それこそがだ」
「そうだというのだな」
「その通りだ。確かに貴様は人だ」
それはどうしても変わらないものだった。アイオロスが人であることはそのまま彼の誇りでもある。変えようのないものであった。
「だがそれでもだ」
「強ければか」
「そうだ。闘う面白みがある」
そう言って笑いながら彼もまた構えを取るのであった。
「それは言っておく」
「それではか」
「闘うとしよう」
双方共ここで構えを取った。
「それでいいな」
「ここは通しはしない」
アイオロスはこの言葉も出した。
「決してだ」
「そうか。何があろうともか」
「十二宮には敵は誰も入ることはできない」
彼もまた己の言葉に絶対のものを宿らせてきていた。
「例え何があろうともだ」
「それをこじ開けて通るのが我等だ」
しかしデイモスも言う。
「それは言っておく」
「そうか、ならばだ」
「行くぞ」
彼等の闘いがはじまった。そしてサガとポポスもだ。
「ジェミニだったな」
「その通りだ」
サガはポポスのその問いに頷いてみせた。
「私はジェミニのサガ」
「黄金聖闘士でも最強の一人」
ポポスもまたあえて言ってみせたのだった。
「そうだったな」
「そう思いたいのなら思っておくといい」
サガはここではこう言うに留めたのだった。
「それでだ」
「ではこう言わせてもらう」
そしてポポスもこう返したのだった。
「それでいいというのならな」
「それではだ」
「神の力を見せてやる」
彼もまた神であることに絶対の誇りを持っていた。それは隠してはいなかったし隠そうとしても隠せるものではなかった。そうしたものだった。
そしてその誇りと共にだ。彼は言うのである。
「その力で貴様を倒す」
「それではだ」
「退かぬというのだな」
「聖闘士に背を向けるという言葉はない」
こう言って実際に背を向けようとはしないサガだった。
「例え相手が誰であろうとだ」
「それは言っておく」
「そしてだ」
「闘うのだな」
「我等と」
デイモスもポポスも自信に満ちた笑みと共に話してみせてきた。
「ならばよし」
「その意気に応えてだ」
「相手をしてやろう」
「来い」
こうしてであった。闘いがはじまろうとしていた。それを他の黄金聖闘士達はそれぞれの宮で映像を映し出して見ていた。彼等の小宇宙によってだ。
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