孤独の戦い 前編
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孤児院に帰った後、俺はアイツが言っていた言葉を思い出す。
『そうそう。僕以外にも知ってる人達はいるよ。それは、とても身近な人物だ。その人達は、あえて君に黙っている。レイがレイの過去を思い出させないようにね…………』
「どういう事なんだよ…………」
ベッドで仰向けになり、腕を頭の後ろに回して考える。
アイツ以外にも俺の事を知っている…………それは、とても身近な人物…………しょうがねぇ。今まで聞いて来なかったけど、この際聞いてみっか。
自室から出て、一階へと降りて目的の人物を探す。
「おーいレイナ。いるかー? 」
………………返事ねぇな。いつもだったら、はーい、いますよーって言って出てくんのに。用があって出掛けてんなら連絡が入ってるはずなんだけどな。
…………なんか嫌な予感がすんな。まさか、また拉致られたとかじゃねぇよな?
あの時と似たような感覚が離れず、玄関へと走って向かう。靴を履き、扉を開けようと手を掛けようとした瞬間、急に頭に強い衝撃が走った。
「いってーー!! 」
「あっ、ごめんなさいレイ君!大丈夫ですか? 」
「あー、大丈夫大丈夫…………拉致じゃなくてよかった」
扉で強く打った頭を押さえながら、安堵する。
気のせいでよかった…………。
「えっ?何か言いましたか? 」
「なんでもねぇよ。それよりもどこ行ってたんだよ? 」
「外の門の所にいました。なにやらレイ君宛てに小包が届けられましたよ? 」
「俺宛て?俺なんも応募してねぇんだけど」
「本当ですよ?ほら」
レイナが渡してきた小包には、確かに俺宛てのようだ。
「確かに俺宛てだな…………まあいいや。あとで開けてみっか」
小包を受け取り、ヒラヒラしながら戻ろうとすると、レイナに呼び止められた。
「あ、あと伝言も預かりました。受け取ったら自室ですぐに開封するようにと言われました。
もしかしてレイ君………………いえ、そういうお年頃ですし、仕方ないと言えば仕方ないですよね」
「違ぇよ!?さっきも言ったよな!?なにかに応募したことも頼んだ覚えもねぇよ!?なんでソッチの思考に行くんだよ!? 」
「冗談ですよ。レイ君はそういう人じゃありませんから」
冗談かよ…………まあ信じてくれてなによりだけど。……って待てよ。なんで伝言付きで渡されんだ?普通伝言なんてねぇよな?
「なあレイナ。これを届けた奴ってどんな奴だった? 」
「渡してきた人ですか?確か黒いスーツに黒い帽子に黒いサングラスを掛けた人ですよ? 」
「それ完全に怪しい奴じゃねぇかよ!?なに普通に対応してんだよ!?少しは警戒心を持てよ!? 」
「けど、渡されただけですし、物腰柔らかそうな感じ
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