レベル7中編 崇高なる存在は幻
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々としている樢。
「そこら辺?」
「いや、なんかごめん、サンサーヴ関連でどうこうしてる人達って、みんな同じに見えちゃって……」
樢は気まずそうに応えた。
「……私も、サンサーヴを追っているという点ではハンターと同じね」
「な、成る程」
「質問でーす」
夢値はぴょっと手を挙げた。
「サンサーヴを手に入れるのが目的でないのなら、何が目的なんですか?」
「私は……」
毛糸は拳を握りしめた。
「サンサーヴを無力化する」
「無力化する!?」
驚く樢。
「成る程!意外とブレイクスルーなスキルかもしれませんね!」
感心をしている夢値。
「こちら『アミゼ』としては綺麗なサンサーヴさえあれば能力はどうでもいいんですよね。むしろ曰く付きの能力という他のセールスポイントが消えれば狙うハンターも減りますし。実際のところはディアンさんに確認しますけど、多分ぼく達も力になられるんじゃないかなと思います」
「いえ、結構」
興奮したようにまくし立てる夢値を毛糸は片手で制した。
「そうですか。気が変わったらよろしくお願いしますね」
夢値はどこからか取り出した椅子に座った。
「で、無力化って、どうするの?私はどうすればいいの?というかどうされちゃうの?」
「手順としては、まず、樢さん。あなたの中のサンサーヴをこの決闘で目覚めさせるわ」
「それ、私大丈夫なの?」
「あなたに害は無い筈。恐らく」
「恐らく!?」
「それってどうやってやるんですか?」
夢値が挙手した。
「サンサーヴは戦うことを好み、戦いに負けることを嫌う。だから、まだ完全に目覚めていないサンサーヴをずっと決闘で劣勢に置き続けて、怒りで覚醒を早めれば、おそらくこの決闘が終わる頃には完全に目覚めている筈よ」
「成る程。そんな性質があったとは知りませんでした」
夢値は感心するようにうんうんと頷いた。
「それで樢さんを乗っ取らせて、それから?」
「完全に覚醒したサンサーヴを決闘で負かして、特殊な装置で封印する」
「へぇぇ。そんな物まであるんですか。面白い時代になりましたねぇ」
「そして、サンサーヴを破壊する」
「へ……え?」
ニコニコしていた夢値が固まった。
「なんで破壊するんですか?」
「封印をする物があるなら、また封印を解く物もあるのよ」
「ぼく達が封印されたサンサーヴを守ります」
「いいえ、あなた達が何を思っているのかなんて関係無い」
毛糸は苦虫を噛み潰したように、それでも殆ど表情を崩さず前を睨んだ。
「まだ可能性があるなら、人はそれを追う。だから私は、全部壊して無くす」
「……あなたのおじいさんの可能性も、ですね」
「そうね」
毛糸はあっさりと頷いた。
「へ?ケートのおじいさん?」
状況が分からない樢に、毛糸は昔話
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