レベル7中編 崇高なる存在は幻
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さんも全く動じてませんよね」
「そうだな。あいつ、何か知っているのか?」
「知っているわ」
「そうなんですかー……、ぁ?」
突然の声に驚いていると、毛糸の顔が、視線が、夢値とダードを射抜いた。
「あれはサンサーヴの影響よ、侵入者さん」
「あ、……」
夢値は愛想笑いをした。
「ど、どうもご親切に……」
「……って夢値、ダード!?」
樢にも見つかってしまったようだ。だがその素っ頓狂な声にダードは少し安堵した。
「ちょ、え、なんで、2人、じゃなくて1人と1匹が……」
「へぇ、樢さんの知り合いなのね」
毛糸は夢値に視線を向けた。
「それで、どうしてぼく達のことが分かったんですか?特殊な機械でちゃんと姿を消していたのに」
「サンサーヴを巡る諍いに、身を隠す人が出てくることぐらいは想像つく」
「成る程。隠す機械があれば暴く機械がある、ということですね」
「それに、床に突然お菓子のカスが散らばっていたら誰だって不審に思うわ」
「あちゃー。ごめんなさい掃除しますね。それでちりとりは……」
「夢値!」
椅子を蹴る音と樢の怒鳴り声で夢値はビョンと向き直った。
「御機嫌如何ですか、樢さん?」
夢値はにっこり微笑んだ。
「あんたのせいで最悪よ!」
樢は思い切り夢値を睨みつけている。
「まぁまぁ樢さん」
夢値はゆっくり立ち上がりながらにこやかに手で宥めるようにした。
「まぁまぁじゃない!着いてこないでってあれだけ言ったのに!」
「着いていったんじゃなくて、改めて毛糸さんの家を調べて乗り込んだんです」
「違わないでしょ!」
「まぁまぁ、災い転じて福となすって言うじゃないですか」
「福になってないでしょうが!」
「いいえ、どうもこの場にぼくがいた方が良さそうなので」
そう言うとちらりと毛糸を一瞥した。
「なんかごたごたしそうですもん、ね?」
「……」
「ってケートごめんね!」
樢は腕で夢値を押しのけた。
「えっと、この子達はその、なんか、親戚?の子で、」
「樢さんのいとこの割り箸のはとこに顔が似てる人の甥です」
「アンタは黙ってて!」
「大丈夫、予想はつくわ」
毛糸は静かな表情で立ち上がった。
「よ、よかった、」
「大方、サンサーヴを守る為に雇った傭兵でしょう?」
「そこまで分かるの!?」
樢は驚きからかよろめいた。
「傭兵、という言い方は少年の心に響かないんですよねぇ」
「え、え、じゃあ、何?もしかして、ケートもハンターなの!?」
夢値を無視しながら樢は顔を強張らせた。
「ハンター、ね。ハンターを『サンサーヴを自分の手中に収めようとする人』とするなら、私はそうではないわ」
「ええっ!?」
驚く夢値。
「……んで、結局そこら辺の関係なの?」
淡
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