出撃・礼号作戦!〜作戦会議その2〜
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部隊が取り付いた時に支援砲撃と爆撃を行う決戦支援部隊だ。編成は……金剛、比叡、赤城、加賀。この4人を軸に護衛の駆逐艦2隻を加えて1編成とする。南からの敵のいないルートを使っての大回りになるが……出来るな?」
「of courseネー!嫁艦の実力、見せてやるヨー!」
先程までの不機嫌はどこへやら。金剛は鼻息荒くやるき満々といった様子だ。全く、現金な奴め。
「榛名と霧島は手の空いている駆逐・軽巡を指揮してポイントへの物資の運び込みの陣頭指揮を任せる。徹夜仕事だが、宜しく頼む。翔鶴・瑞鶴は、ニ航戦及び鳳翔さんと合流、現場海域では大型の爆撃機の目撃情報がある。運搬部隊の護衛に当たれ。」
「了解!」
榛名・霧島・翔鶴・瑞鶴は敬礼すると忙しなく執務室を出ていった。
「他の者は編成の名前に挙がった者に伝達。以後、明日明朝からの出撃に備えて休息を取るように。以上!」
室内にいた全員が、一糸乱れぬ敬礼。よくぞここまで……と自画自賛したくなったが、慢心はいかんな。止めておこう。
「俺は少し休む。緊急の場合のみ取り次げ。」
俺はそう言って執務室の横に備え付けてある仮眠室に、極々自然に金剛の手を引いて入った。
俺に指図されるまでもなく、金剛は膝枕の体勢を取った。俺もそれに甘えるように、頭をその柔らかな太股に預ける。
「済まなかったな、金剛。」
「ンー?何がデスか?」
わざとらしく小首を傾げる金剛。……こいつめ、解ってるクセに。
「本当なら嫁であるお前を活躍させてやりたいと思う気持ちもあるんだ。だがな……」
俺の言葉を遮るように、クスクスと笑い出す金剛。
「解ってますよ、提督。」
「提督は、一軍を率いる将です。私情を挟んで負ける訳には行きませんよ……。敵の戦力を見て、ベストな判断をしたと、私は思いますよ?」
そう言いながら俺の頭を撫でてくる金剛。いつものハイテンションな片言はなりを潜め、あくまでも優しく、子供に語りかけるような口調だ。
「なら、何であんなに突っかかった?お前だって解ってたハズだろうに……」
「あ、あれは……何と言うか、私のワガママですよ。提督。」
下から顔を見上げると、苦笑いを浮かべる金剛の顔がそこにあった。
「提督の妻として、一番役に立ちたいと思う、そんな嫉妬深い私のワガママですよ……」
「んな心配するんじゃねぇよ。お前は俺にとってのナンバーワンであり、オンリーワンなんだからよ。」
そう言って、金剛の頭を引き寄せて口付けを交わす。仮眠室の外の廊下では、バタバタという足音が響いている。忙しくさせてしまった駆逐・軽巡達には悪いと思いつつ、俺達二人は微睡みの中に落ちていった。
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