647部分:第九十三話 襲撃者その二
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第九十三話 襲撃者その二
「そのどちらかだ」
「攻めるとするならば」
シュラはあえてその攻める場合について考えて述べた。
「トラキアを一気に攻める」
「そうだ。そしてアーレスの復活より前にあの五柱神全てを倒す」
これが目的だった。どちらにしろアーレスに仕える神々は全て倒さなくてはならない、それが彼等の勝利への絶対条件であった。
「そうすべきだが」
「必ず全員倒さなくてはならない」
「しかしだ」
ここでアルデバランは言うのだ。
「我等はまだあの神々のことをよくは知らない」
「それか」
「先のアーレスとの聖戦においてもだ」
「あの神々はどうだったのだ」
「それについては後で見せよう」
ここでシオンが教皇の玉座から告げてきた。
「聖域の図書館の奥に先の戦皇アーレスとの聖戦についての文献が見つかった」
「それがなのですか」
「見つかったのですか」
「そうだ」
その通りだと答えるのだった。
「後でそれを見るのだ」
「わかりました」
「それでは」
「しかし。ここでそうした文献が出てくるとはだ」
「これも運命でしょうか」
今度はアイオリアとアフロディーテが話す。
「そうだな。これまであの神々についてはよくわからなかったが」
「それがわかるというのですから」
「ただしだ」
アイオリアの目が鋭いものになった。
「あの神々は少なくともだ」
「人のそれを遥かに凌駕する強さを持っています」
「その通りだ」
今度はアフロディーテの言葉に応えた。
「その強さは間違いなく尋常なものではない」
「八大公だけではなくなりました」
「八大公もかなりの強さだ」
「そうです」
彼等のことも当然念頭にあった。
「彼等の存在もあります」
「どうするべきかだな」
アイオリアも何時になく険しい顔になっている。
「一体」
「そうですね」
「それについてはだ」
ここでまたシオンが彼等に告げてきた。
「まず今八大公と対峙している者達はだ」
「はい」
「我々ですか」
「そうですね」
「そうだ、御前達だ」
ムウをはじめとする八人に対しての言葉であった。
「御前達はそのまま八大公の相手に専念するのだ」
「ですがそれでは」
「四闘神やエリスは」
「一体どうするのですか?」
彼等は怪訝な顔になってそのことを問うた。
「彼等の存在が今最大の脅威です」
「それについては」
「案ずることはない」
シオンは彼等にまた述べた。今度は落ち着かせる声だった。
「全てはだ」
「案ずることはないと」
「といいますと」
「まず四闘神だ」
まずは彼等についてから話すのだった。
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