出撃・礼号作戦!〜潜水棲姫との決着〜
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初戦こそ撃沈出来ずに大破で終わったものの、その後は順調に潜水棲姫を沈めていく。沈める度に棲姫が構築していた『巣』は縮小を続けていく。やがて巣を構成していた物資は消え去り、次に棲姫を撃沈すれば完全にトドメを刺せる状態となった。
「フン、案外歯応え無かったわね。」
作戦開始から6時間、辺りは既に暗い。夜襲は難しいだろうとの判断から、今日はこれ以後の出撃を取り止めて出撃メンバーの疲労回復に努める事にした。備蓄が心許なかったので遠征艦隊には働いてもらっているが。今ウチの店には俺と旗艦の霞の二人だけ。夕食を食べた後に一杯ひっかけに来たらしい。今宵の一杯はバレンタインにちなんでカカオの香り高いアレキサンダーをチョイスした。
「そうでもねぇさ。人も獣も、手負いの追い詰められた奴ってなぁ危険なんだ。」
霞の発言に釘を刺す。初の旗艦で昂っているのも解るが、それで油断して手痛いしっぺ返しを喰らうのは自分だ。
「窮鼠猫を噛む、って言うだろ?追い詰められた奴はなりふり構わなくなる。悪い意味でふっ切れちまう。覚えがあるだろ?」
嘗ての大戦末期、行われた数々の特攻作戦、綾波や夕立に代表される驚異的な戦果。あれは良い意味でも悪い意味でも「吹っ切れた」結果だろう。
「まぁ、確かにね。油断するつもりはないけど、肝に銘じておくわ。」
霞はぶっきらぼうに見えて他の朝潮型と同様、根は素直な娘だ。明日の出撃でも上手くやるだろうさ。
翌日、昨日と同じ面子で攻撃を掛ける。
「相手は虫の息だ、油断せずに行け。そして…勝って帰ってこい!」
『ハッ!』
俺の飛ばした檄に6人は敬礼して次々に海面へと降りていく。俺が出来るのは待つ事のみ、だ。
『こちら霞。作戦海域に到着したわ。』
「じゃあ、頼んだぞ。」
返事も返ってこない短いやり取り。それでも言いたい事は伝わったのだろう、水上を進む音が少ししてから通信機がブツンと切れた。しかし、敵も侮れない。追い詰められたネズミでさえ、自分の数十倍の猫に噛み付くのだ。ましてや相手は互角以上の相手……油断は一瞬にして死を招く。今の所は順調のようだ。潜水棲姫の手前で待ち構えていた水雷戦隊によって足柄が小破させられたが、それ以外はすこぶる順調だった。
「さぁ、ちゃっちゃと沈めてやるわっ!」
『オノレェ……カンムスドモガァ?』
最後のトドメを刺せる状態まで追い込んだ時、棲姫の率いる艦隊はパワーアップする。駆逐艦は更に強力な駆逐艦になったり、軽空母は正規空母に変わったりと、敵も本気で迎撃してくる。今回の場合もそうだ。取り巻きにいた潜水カ級はeliteへと強化されており、潜水棲姫自身も装甲が厚くなっているようだ。
「狙うは棲姫のみよ!水上の奴
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