出撃・礼号作戦!〜潜水棲姫との決着〜
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等はほっときなさい!」
霞の指示に従って水中へ集中攻撃を仕掛ける出撃メンバー達。しかし、敵も侮れない。ソナーを用いて攻撃を加えても敵の判別が付かない。カ級を攻撃しているのか棲姫を攻撃しているのかが判り辛い。
『潜水艦が1隻、機関停止!カ級撃沈です!』
大淀がソナーを用いて撃沈を確認した瞬間、
『きゃあぁぁぁっ!』
通信機から聞こえる悲鳴。
「どうした!?」
『霞が被弾、中破です!』
「指揮を日向に委譲、全員霞をカバーしろ!」
『ナ……ナメんじゃ無いわよおぉぉぉぉっ?』
中破された霞が負けじと吼える。先程よりも苛烈に爆雷を撒き散らす。水中からの断続的な破裂音が止むと、
『せ……潜水カ級更に撃沈を確認!水中の敵は棲姫のみです!』
再び大淀がソナーを用いて確認したらしい。
「全艦、棲姫に攻撃を集中!一刻も早くケリをつけろ!」
日向の晴嵐が、瑞鳳の艦攻が、大淀、夕張、鹿島の爆雷が海中に襲いかかる。ズボボボボボン、と鈍い炸裂音が響いた暫く後、
『オノレェ……ワスレンゾォ……!』
海中から恨み言と共に断末魔の叫びが聞こえてきた。
『棲姫の撃沈を確認……。巣が消滅します!』
ふぅ。まずは第一段階突破、って事か。
「ご苦労さん、まずは気を付けて帰ってきてくれ。」
そう言って通信を切った。まだこれは作戦の前段階、言ってみれば下準備が整ったに過ぎない。作戦の本番はここからなんだ。
「とりあえず、第一艦隊を出迎えるか。金剛、付き合え。」
「ハイハーイ、今行くヨ〜♪」
俺は金剛を伴って港湾部まで出迎えに向かう。その道すがら、今回の奴等の一連の動きについて考えを巡らせてみる。事の発端は敵の泊地建設の動きの察知だった。今まで泊地型の棲姫は完成してからの発見が多く、常に後手後手の対応だった。それが今回に限っては建設開始直後の発見の報。何というか、『作為』の匂いを感じる気がする。
そして作戦決定と同時に起きた鎮守府に対する破壊活動。明らかに何者かが海軍の戦力を削ごうとして、起こした妨害活動だろう。恐らくは深海棲艦と繋がる事で旨味の得られる国々……怪しいのは中国・ロシア辺りか?まぁ何にせよ、何か別の目的の為に今回の一連の騒動は動いている気がしてならない。
「テートク〜?眉間がシワシワで恐い顔してマスよ〜?」
「ん?あぁ、すまんすまん。ちょっと考え事を、な。」
邪推のし過ぎで周りに心配掛けてりゃあ世話ねぇやな。考え込み過ぎるのはよそう。
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