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提督はBarにいる。
出撃・礼号作戦!〜前哨戦〜
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、敵の『巣』の主である潜水棲姫の甲高い声。姫級ともなると人語を理解して言葉を発する事がある。大概が怨み言で聞くに耐えないような代物だが、時折意味深な言葉を発する者もいる。それを聞くと、やはり深海棲艦は艦娘と生まれを同じくする者なのではないか?と考えてしまう。

 艦娘は嘗ての軍艦の魂……『艦魂(ふなだま)』が人の姿に転生した者だという。ならば深海棲艦はその負のエネルギー……沈められた痛みや苦しみ、孤独感やある種の怨念…それらが形作られた者なのでは無いか?と。まるでコインの表と裏のように。

『クソっ、倒しきれ無かった……!提督、夜戦はどうすんの?』

 っと、いかんいかん。考え事を始めるとどうにも回りの声が聞こえにくくなる事がある。気を付けねば。

「夜戦はしなくていい。いくら手負いとは言え夜戦の潜水艦は脅威だ。それにこちらの攻撃も殆ど当たらんしな。一旦帰投しろ。」

『了解。追撃せず、ね。だけど大破までは追い込んだわ。』

 よしよし、最初の出撃にしては上出来だ。

「わかった、詳しくは帰ってから聞く。油断せずに帰ってこい。」

 そう言って今度はこちらから通信を切る。通信の内容を聞いていた嫁艦達がクスクスと笑っている。

「あんだよ?」

「いえ、なんだか提督がお父さんっぽいなと思いまして。」

 俺も結婚して所帯染みて来た、という事だろうか?そこまで老いて落ち着いたつもりは無かったんだが。



「潜水棲姫と交戦、鹿島が中破、日向が小破に追い込まれるも、敵棲姫を大破まで追い込みました。以上、報告終わりっ!」

 霞からの帰還報告を受け取る俺。

「ご苦労だった、引き続き同じ陣容で頼む。中破した鹿島は入渠ドックで高速修復剤を使用、補給・疲労回復の後に再出撃。『間宮』に甘い物を頼んである。各自、適宜補給してくれ。以上、解散。」

 やはり甘い物には目がないか、我先にと駆け出していく出撃メンバー。

「提督さ〜ん……私達にオヤツは無いの〜?」

 手持ち無沙汰にしていた瑞鶴が不満げに漏らした。時刻を見ると既に午後3時を回っていた。ここにいるメンバーは今の所は頭脳労働ばかりだからそれほど空腹にはなっていない筈だが、頭を使うと糖分が欲しくなるという欲求は解る。

「ちょっと待ってな、貰ったチョコで作った奴が……」

 冷蔵庫に入れてあった。貰いすぎたチョコ(もちろん義理チョコだぞ?)で作ったお手軽チョコラスク。

 フランスパンを1.5cm幅にカットして、トースターではなく電子レンジで加熱して乾燥させる。これによって焦がさずにサクサク食感が作れる。今度は常温に戻して柔らかくしたバターを練ってトロトロにしたら砂糖を加え、シュガーバターを作る。これをパンに塗って、仕上げに湯煎したチョ
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