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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十一話 刹那の妙技
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けで、その心はまだ残っているのだ。
──まだ、やりたい──
出したい技がある、試したい技術がある、ノーヴェに世話になった恩を返したい。強くなった自分をなのはに、ヴィヴィオに、フェイトに、後輩たちに、親友に、ライバルたちに、……アルテアに見てほしい。
──そうだ──
この楽しさこそが原点だ。
心の強さが欲しい、誰かを守る強さが欲しい、それとは違う、本当の本当に、最初に格闘技を続けたいと思った、クラナ・ディリフスという人間の原点の一つ。
──だから……!──
「(まだ、負けらんないだろ!!)」
────
「アルっ!!」
両手の拳の先にたまった魔力を、解放する合図に、高らかに愛機は答えた。
[Discharge!!]
「デストラクト・バスターッ!!!」
直後、クラナが腕を広げるように、両腕を振り切る。その射線上に、左右に向けて緑色の砲撃が一気に伸びる。直接魔力に触れて手に入れた、クレヴァーの性質をコピーした無色の魔力による砲撃魔法だ。
「オォッ!!!」
「ッ!!」
直後、クラナはその場で一回転を始める。リング中央から左右にのびた砲撃が、リング端の魔力障壁で何とかせき止められながら、リング全体を薙ぎ払うように放射されていく。突然の事で動揺したクレヴァーは、幻影を操作することも忘れてその場に伏せることで何とか難を逃れる。が、急激な動きによって、オプティックハイドが切れてしまった。
「……!」
「見つ……けたっ!!」
「行け、クラナァッ!!」
ノーヴェの声と共にバンッ!!と地を蹴る音が奔り、クラナがここ一番の勢いで走りこむ。慌てて立ち上がるクレヴァーが、必死の形相でいきなり五体の幻影を作りだした。それらすべてが一気にクラナに向けて突っ込んでくる。動きは全てクレヴァーのものとは違う、幻影だ、しかしこの内どれに部分実態による攻撃が仕込まれているかもしれない。それを見分けることは、クラナには不可能だ。だから……
「瞬刹……一閃!!」
[Moment Schelling]
五指をそろえて腰へ、ちょうどミカヤの居合の構えに近い動作からその手刀を横一線に……振り抜く!!
「……!?」
直後、まるで胴体を真っ二つに切り裂かれたように、クレヴァーが作り出した幻影が“全てかき消える”。それどころか、クレヴァー自身にも、腰を打ちすえられたような衝撃が奔った。
クレヴァー・レイリ― DAMAGE1230 LIFE 10770
それが何だったのか、確かめるよりも早く、クレヴァーはクラナが目の前にいるのを目にする。殆ど無意識に、慣れない防御の姿勢を取ろうと交差した腕の下、鳩尾の辺りに、拳がめり込み……
[Impact!!]
「か……ッ!?」
魔力爆発が、クレヴァーの身体を打ち上げる
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