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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十一話 刹那の妙技
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に防ぐ、が、防ぎきれずに肩に命中する。

クラナ・ディリフス・タカマチ DAMAGE 1700 LIFE 8600

「んのぉっ……!」
クラッシュエミュレートまではいかなかったとはいえかなりの衝撃だ。が、その衝撃を歯を食いしばって耐えながら、クラナは右腕を叩き落す。その時……

クレヴァー・レイリー DAMAGE1500 LIFE 10500

「!?」
おそらくは部分実態化しただけの幻影だろうと思っていたその腕から、手ごたえが帰ってきた。が、その予想を裏付けるように目の前のクレヴァーが消滅する。幻影にダメージが入った?そう一瞬考えて、しかし即座にその回答に否を突きだす。

「(そうか……)」
おそらくあの部分実態化には、それが体の一部であるなら、ダメージのフィードバックがあるのだ。そしてクレヴァーは、スティングレイだけを実態化させるだけの技術を持っていない。

「(けど……)」
おそらく、これが知れた以上、今後はそうたやすくあの部分実態化をしてくることはあるまい。この相手はそう言うリスクに対して敏感だと、短い間で相手と強くぶつかり合ったクラナの直感は告げていた。
だが、それならそれでいい。あの厄介な部分実態化を乱用されるのは流石につらい。少しでも抑えてもらえるならば、こちらとしては願ったりかなったりだ。

「(とはいえ……)」
依然として自分が不利な状況であることには変わりはない。と、周囲に表れる八体の幻影を見ながらクラナは冷静に自己の状況を分析していた。最大の武器である格闘戦は相手の正確な位置が分からなくては意味がない。とはいえ、そのための加速魔法は使えば即座に逆に自分が窮地に立たされる減速魔法に早変わりだ。射砲撃にしても、相手の魔力を吸収する手段が封じられた今それも不可能だ。

「(きっついな……)」
そう内心でひとりごちながら、クラナは再び構えを取る。その顔には、小さな「笑顔」が浮かんでいた。

────

「クラナさん、辛い状況ですわね……」
「うん、加速を使った格闘戦主体のクラナ君の戦い方を、あの子完全に分析しきってきてる。戦術に関しては、完全に上をいかれとるね……」
観客席の一角に、黒と金の少女が座っていた。双方ともに女子の部の出場選手だが、片方はまだ試合が無い為時間に余裕がある。もう片方はそんなことも無いのだが、一人で行くと遠慮する黒い少女が人混みが苦手であるのを考慮してついてきていた、ジークリンデ・エレミアと、ヴィクトーリア・ダールグリュンだ。

「加速に対抗する手段は、男子の部の人たちも色々と考えていたとは思いますけど……あのよく分からない魔法は結局、相手の術式に干渉して、それ封じているように見えますわね……そもそも、本来制御が難しい幻術を、あそこまで使いこなしている魔導士は
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