ターン62 蹂躙王と墓場の騎士
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いな!」
「そ、そんな急に……」
「ああクソ、時間切れだ。いいな、手加減なんてしたら負けるのはお前だからな。俺の分まで絶対に生き延びろ……ぐっ!」
その言葉を最後に、再びケルトの体がその場に崩れる。再び起き上った時、その目からはもはやさっきまでの理性的な光は消えさっていた。そしてその目を見て、もう何を言っても無駄なんだと悟る。もうあれは、僕が見てきた気のいい悪魔ではない。破壊の嵐を巻き起こす恐るべき悪魔、暗黒界の鬼神と呼ばれるにふさわしい恐怖と畏怖の対象でしかないのだ。
僕の心を蝕むダークシグナーの魂が、僕に戦え、目の前の敵を潰せと囁く。うじうじと悩まなくてもいいというのは、この場合ではむしろ喜ぶべきことなのかもしれない。この世界は弱肉強食、いつまでも迷いがあるようではここで死ぬのは確実に僕だからだ。
「ケルト……」
「ああ、いい気分だ。すがすがしいぜ、まったくよ。さあ、デュエルの続きを始めようぜ!」
「こうなった以上、もはや彼の戦いを止めることはできません。あなたが生き残るための道はただ1つ、鬼神ケルトを自らの手で下すことのみ!さあ御集りの皆様方、いよいよ本気のデュエルスタートでございます!どうぞ戦士たちの邪魔をしないよう口を閉じ、拍手をもって見守って差し上げましょう!」
観客の悪魔どもも、最初からこうなることはわかっていたらしい。僕らだけが真剣になって、どうやって逃げだすかを考えていたということか。
……いや、まだだ。まだ眠りのカードは僕の手の中にある。
「魔法カード、妨げられた壊獣の眠りを発動!フィールドのモンスターをすべて破壊し、デッキから壊獣を互いの場に1体ずつ特殊召喚する!これでシェード・ブリガンダインを破壊して……」
「通すかよ、そんなもん!トラップ発動、死のデッキ破壊ウイルス!攻撃力1000以下の闇属性モンスターをリリースして相手フィールドと手札に存在する全ての攻撃力1500以上のモンスターを破壊!さあ、そのたくさんある手札を見せてもらうぜ?」
「くっ!僕の手札にある七星の宝刀以外は全部モンスターカードだ……」
手札に存在する攻撃力1500以上のモンスター……それはつまり、今の僕にとってこの手札ほぼ全てを意味する。最上級モンスターばかりの壊獣が片っ端からウイルスに感染していき、ガメシエルにラディアン、ジズキエル、サンダー・ザ・キングの4枚をまとめて墓地に送りこんだ。
「おいおい、その眠りのカード以外はモンスターばっかりかよ?だがこれで終わりじゃねえ、さらにウイルスは相手のデッキにも感染し、相手は攻撃力1500以上のモンスターを3体まで選んで破壊することができるぜ」
「……遠慮しておくね。これ以上墓地にモンスターを送ることもないさ」
「そうかよ?なら待たせて悪かったな、次は妨げら
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