ガンダムW
1547話
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ないな。
……それでも、ヒイロがサリィとくっついたりするような未来は想像出来ないが。
ともあれ、そんな風に考えている間にもドロシーとサリィの間で行われていた会話は終わり、サリィがこっちに近づいてくる。
「帰りましょう」
どうやらドロシーが言い合いには勝ったらしい。
俺達も、別にあの暗殺しようとした相手をどうしても確保したかった訳ではないし、もしそんな真似をしようものなら、この基地にいるOZの面々と本格的に戦う事になっていたかもしれない。
で、最終的には退くに退けなくなったOZが全戦力を繰り出し、結果としてこの基地の壊滅……なんて風にならなくてほっとしている。
既にトールギスやエアリーズの積み込みも終わっているので、後は俺達がMS輸送機に乗り込めばそれだけで出発は出来る。
サリィと共に輸送機へと乗り込み……俺達を見送りに来ていたドロシーは俺と視線があったのを確認すると、小さく一礼する。
スカートの端を掴んでやる、あの仕草だ。
多分、今回の査察はドロシーにとって色々と珍しいものを見る事が出来た有意義なものだったんだろう。
「アクセル、はい」
席に座った俺に差し出されたのは、凛が持っていたコップ。
中身は紅茶……って、何で旅客機ならともかく、輸送機にそんなのがあるんだ?
そう思って凛の方を見ると、魔法瓶を手に持っていた。
「それは?」
「これ? あのドロシーって娘が渡してくれたのよ。折角なのでどうぞ、ですって」
「ドロシーが……まぁ、貴族趣味らしいと言えばらしいのか」
「いや、魔法瓶で紅茶って貴族趣味とは言えないんじゃないか?」
俺と凛の話を聞いていた綾子が、少し呆れたように呟く。
「そうか? まぁ、元々ドロシーが紅茶派なのか、それとも単純に俺がコーヒーよりも紅茶を好むと知っていたのか……そのどちらかは分からないけど、折角くれたんだし飲ませて貰うか」
そうして紙コップから紅茶を飲むと、甘酸っぱいような香りが口の中に広がる。
どこ産の紅茶だとかは詳しくないが、それでもこの紅茶が安物ではないというのは、何となく想像出来た。
いや、実際の値段は分からないし、もしかしたら安物の紅茶という可能性もあるが。
ただ、ドロシーが渡してきた紅茶となると、安物を使ったりはしないだろう。
「うわ、平気で飲んだわね。あのドロシーって娘が用意した紅茶よ? もしかして毒が入ってるとか考えなかったの? ……アクセルに毒は効かないんだし、意味はないか」
凛が唖然としつつ、最後だけサリィに聞かれないように小声で呟く。
実際問題、この紅茶に毒が入っているかどうかというのは分からない。
だが、ドロシーが何かをするのであれば、もっと直接的な行動を取りそうだ。
「本
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