闇のシンボルハンター
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この呪歌から逃れる術はねえ。関係ねえか」
「それはどうかしら?勝負は始まったばかりよ」
「何っ?」
ジェムは自信満々に自分のモンスターボール5つを見せる。闇に目が慣れきっているシンボルハンターにはその中にポケモン達が入っているのが見えた。
「どういうことだ、『黒い眼差し』は発動している。まさか『綺麗な抜け殻』でも持たせてやがったか?」
『綺麗な抜け殻』とはたとえどんな状態になってもバトルから逃げることが出来るようになる道具だ。貴重品でありジェムは所持していない。理由は、もっと簡単だった。
「私は、ゴーストタイプのエキスパートの娘よ。あなたがこのバトル方法を提案してきた瞬間から!あなたみたいな卑怯者は『滅びの歌』で一撃必殺を狙ってくることくらい読めてたわ!ペタペタ、『ゴーストダイブ』!」
突撃していたのはジュペッタだけ。後の5体はジュペッタが作り出した『影分身』であり。その影を纏って、サマヨールに強力なタックルを見舞った。どっしりとした体が、数メートル地面を削って後ろに下がる。
「まさかてめえ、最初から……!」
「当然、そもそも黒い眼差しを使われる前にボールに戻してたわ。それでも私に勝てるって思うのなら……やってみればいい!」
闇のシンボルハンターが、悪鬼のような獰猛な笑みを浮かべる。潰しがいのある敵と戦う喜びが現れていた。
「てめえもその程度の一撃でサマヨールを倒せたと思うんじゃねえぞ……これからもっと悍ましい、闇そのもののバトルを見せてやるぜ!」
予想外ではあるが、あれだけしか戦術がないわけではない。ジェムの大事なヒトへの思いをかけたバトルは、ここから激化していく――
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