闇のシンボルハンター
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のルールだ。基本的にはシングルダブルトリプルと、相手と自分の一度に出せるポケモンの数は同じと決まっているのがセオリー。だがこのルールなら極端な話、6体いっぺんに相手を攻撃することもできる。というより、基本それが最善と言っていい。
闇のシンボルハンターは、ボールから新たにサマヨールを繰り出した。他には出さない。
「俺はまずはこのムウマージとサマヨールで行く。……覚悟は出来たか?」
「いいわ。何のつもりか知らないけど、私達全員で一気に終わらせてあげる!」
ジェムはすでに6体を場に出している。相手は2体。彼我の戦力差は言うまでもない。自分の仲間たちに目くばせと、ボールを持った腕を振って意思を伝えるジェム。
仲間たちは臨戦態勢に入る。その様子を見て、相手は笑った。
「ククク……確かにな。貴様の親譲りのポケモンは強力だ。一気に終わるだろうよ」
「だったら、降参したら。みんな、いっけえ!」
ジェムが真意をつかみ切れず、それでも後手に回るまいと仲間を相手に接近させる。虚勢を嘲笑うように闇のシンボルハンターが動いた。
「ただしこのバトルにはおっそろしい罠が秘められていてなぁ……勝負は貴様らの滅びによって終わるんだよ!『黒い眼差し』、『滅びの歌』!!」
サマヨールの一つ目が千ほどに分裂したような錯覚を受け、周囲を不思議なプレッシャーが覆う。ムウマージが不吉極まる不協和音を奏で、周り一体を死の歌が響く。
『滅びの歌』は自他問わず聞いた全てのポケモン時間経過とともに問答無用で葬り去る恐ろしい技。滅びの運命から逃れるためにはボールに戻る必要がある。だが『黒い眼差し』は相手に逃げることを許さない。
つまり、6体のポケモンを出しているジェムは例え一切のダメージを追わなくても時間が経てば全員が戦闘不能になり、敗北する。何も知らず6体で向かって来た相手を実質瞬殺する、闇のシンボルハンターの脅威の戦術――!
「――教えてやるよ、俺のムウマージの『滅びの歌』で死滅する時間は30秒……その間に決めることは不可能、つまり貴様の負けだ!」
このルールでは6体同時に出すことも出来れば1体だけ出すこともできる。一体ずつ『守る』等の技でしのぎながら黒い眼差しを使っていけば、余裕で10分は持つ。
「ははははは!人生最後のポケモンバトル、随分儚い終わりだったな。残り30秒でせいぜい親への言い訳を考えるか?それとも、自棄になって戦うか?」
「……いいえ、そのどちらでもないわ」
ジェムの傍に控え、『滅びの歌』による音符の呪詛が纏わりつく6体のうち5体、ジュペッタを残してその姿が解けて消えていく。闇のシンボルハンターとその手持ちの2体が周りを見渡した。
「どこに消えた……いや、どのみち
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