暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
トマトと女殺し・3
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はウスターソースなんかを作る時に出る沈殿物で、とんかつソース等よりもスパイスや野菜、フルーツの濃度が高い。普通に使うよりも料理の隠し味やコク出しなんかに使うと抜群に美味くなる。ここで一旦味見。……う〜ん、市販品には劣るが、手作りとしては十分に美味い。やはりプロの仕事は侮れない。

「提督さ〜ん、まだ〜?私お腹空いてきたんだけど。」

「もう少し待て、瑞鶴。今特製ケチャップに合う料理作るから。」

 ぶぅ、と口を尖らせてカウンターに突っ伏している瑞鶴。なんだろうな、コイツも若干酔うと幼くなるタイプなのか?

 さてさて、それじゃあフライドポテトでも揚げるとしますかね。

 ジャガイモは皮付きのまま櫛形に切って、今回は粉をまぶしておく。まぶすのは強力粉。薄力粉でもいいんだが、強力粉の方が衣がバリッとして歯応えが心地好い。

 後は油で揚げるんだが、ここに一工夫。ジャガイモを点火前に油に入れてしまう。油の量はイモがヒタヒタになるくらい。こうすることで大きめにカットしたフライドポテトでも、焦がすことなく生焼けにもならない。

 点火して油が温まって泡が立ってきたタイミングで、油にローズマリーを適量。こうすると油に香りが移ってポテトにもいい香りが移るんだ。

 イモが揚がったら油を切り、ザルに空けて塩・胡椒・ガーリックパウダーで味付け。仕上げに盛り付けてさっきのケチャップとマスタードを添えて完成。

「ハイよ。『フライドポテト〜手製のケチャップを添えて〜』だ。熱いから気をつけろよ?」

「「「いただきま〜す♪」」」

 3人は男前ジョッキ(用量1リットル)をそれぞれ持ち、ビール片手にポテトに舌鼓。

「うーん、やっぱり提督の料理は絶品ですねぇ♪」

「ホントよねぇ、花嫁修業する気が失せちゃいそうよっ。」

「アハハ、けれどやっておかないと後々大変ですから……」

 そんな会話を繰り広げている3人。そう言えば霧島と例の憲兵の彼はどうなっているんだ?

「霧島、彼氏とは上手くいってるのか?」

「んぐっ!?」

 焦りすぎだろ。イモがつかえるぞ。霧島はビールを流し込んでハァハァと荒く息をしている。

「し、死ぬかと思った……。交際は順調ですよ?その内良い報告が出来るかと。」

 そうかそうか、それは何よりだよ。

「さて、お三方。そろそろ〆の料理だと思うんだが……何がいい?」
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