第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#36
星魔の絶戦 千変VS星の白金W〜Blood scissor's King Leo〜
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。
戦慄さえ凍結する恐怖、しかしソレは生存の希求とは別の理由から。
いつからだろう?
“死ぬコト” が、この上もなく怖ろしくなった。
戦いの申し子とも云えるフレイムヘイズにとって、
「死」 はコインの裏表ではなく常に 「傍 」 へと在るモノ。
王との 「契約」 に拠って不老とは云っても、
それは永遠の盟約ではなく破滅への誓約。
いつか必ず訪れる戦場での死を、安息を棄て去って
受け入れるのがフレイムヘイズとしての使命。
故に恐怖する事は赦されない、
使命よりも生に重きを置く者はその資格がない。
幼き頃より “フレイムヘイズそのもの” として
養育されてきた少女に、この矜持は揺るぎない神聖なものとして
心中に刻まれてきた。
しかし流転する 『運命』 の中で、
その存在を根底から覆す者が現れる。
包み込む陽光のように、吹き荒ぶ嵐のように。
『その存在』 を知ってから、知れば知るほどに、死ぬのが怖くなった。
二度と逢えなくなる事に、自分がこの世から消滅する事に、
心の底から戦慄した。
今まで、使命の為ならいつ消えても構わないと想い込んでいた生命。
それが死んでも失いたくない存在を知ったその日から、
この上もない重さと脆さを同時に孕んだ。
ずっと一緒にいたい、いるのが当たり前、
邪魔するモノは喩え 『神』 で在っても――
その強い想いのもと、いつかは必ず別離を余儀なくさせる
「時間」 にさえ、無垢な少女は牙を剥いた。
本人は無論、アラストール、ヴィルヘルミナにさえも
告げていない、確かな決意。
“空条 承太郎をフレイムヘイズにする”
或いは、自分が 「宝具」 を生み出して
“ミステスに生まれ変わらせる”
それが、ずっと一緒にいられる、確かな方法。
当該の問題解決にはほぼ論外的だった為、
ジョセフから聞かされた 『石仮面』 は除外されたが
もし他に方法がなければ、少女がどう転んだかは解らない。
狂気も恋情も紙一重、その 「根底」 は同じとも云われている。
そも、逸脱しなければソレは 「本物」 ではないのかもしれない。
未曾有の大戦の引き金を弾いた古代の王子が如く、
自らの忠節さえ裏切った背徳の騎士が如く。
ただ、戦い以外は何も知らない少女だった故に、
その影響がモロに出てしまったと言って差し支えないだろう。
故にソレを無関係な他者に、
何の脈絡もなく蹂躙、消滅させられかけた
シャナの憤激は筆舌に尽くし難い。
対手のソラトはポカンとしているが、
彼が少女の触れてはいけない逆鱗に
触れてしまったのは疑うべくもない。
状況の優位は変わらないが、
“流れ” は完全にシャナへと移項してしまっているため
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