第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#36
星魔の絶戦 千変VS星の白金W〜Blood scissor's King Leo〜
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に旋回、
腕のみではない全身を使った螺旋の貫撃で真空諸共にティリエルへと迫る。
ズギャギィィィィィッッッッ!!!!
「ぁ……あぁ……はぁ……はぁ……」
台座の上で腰砕けになる幻想の美少女、
一番強固に編まれた最終障壁が貫かれ
その末端部から剥き身の大刀が飛び出していた。
刀身と峰の中間、鎬 部分まで露出しているため
屈まなければ左胸を貫かれていただろう。
しかしそんなモノはただの気休め、
この至近距離で二度目の突貫を受ければ、
体勢を崩した自分は避けられない。
(もう、ダメ――ッ!)
「ティリエル、ナイス!!」
三度の惨殺を諦念し双眸を瞑った妹に、兄の声が闇に響いた。
「な――ッ!?」
鍛えた膂力を振り絞るように、
双翼に力を込め迫撃を放とうとしていたシャナが瞠目、
障壁越しのティリエルを討つのに四半秒かからないという優位。
しかし全身を走る怖気が少女の突貫を止めた、
確信めいたソラトのかけ声が拍車をかけた、
以前の彼女なら迷わず突っ込んでいたという戦況。
しかし、此処に至るまでの経緯、
鋭い洞察と卓越した危機感がなければ生き残れないスタンドバトル、
その中で培われた 「直観力」 が有利に流れようとする
少女の思考に待ったをかけた。
ギャギィィィィィッッッッッ!!!!!
“後から” 聴こえた金属の反発音、否、打撃音、
一閃で裂けた蔓の障壁から加速した炎輪が
行使者の意志を無視して叛逆の威を示す。
反射的に髪が踝 へ翳るほどに仰け反ったシャナ、
その可憐な風貌をすれすれを灼煉の鎖が通り過ぎて行く。
散った髪が灰も残さず蒸発した、燻る熱気が否応もなく肌を焦がした、
本当に、自ら放ってゾッとするほどの殺傷力だった。
「……」
開けた視界、うねって枝分かれした蔓を足場に、
ソラトが大剣を振り抜いている。
斬撃の構えではない、停止した遮蔽物を砕く時に
最も破壊力を生み出すときに用いる撃ち方。
そう、文字通り “撃ち返した” のだ。
前方のティリエルがシャナを止めている間に
射出後戻ってくる熔斗の軌道を見切ったソラトが
その威力を加速して撃ち返す。
咄嗟に大刀から手を離して仰け反らなければ、
生まれた直観に身を委ねなければ、
意識も追いつかないまま胸部から上を穂揃殺がれていたのは自分だった。
“アイツの鎖で” 絶命していたのは私だった。
ましてや此方に致命傷を負った躰を再生する術などない。
「――ッッ!!」
言い様のない憤激が、シャナの全身を劈いた。
しなやかな炎髪さえ、夜叉の如くささくれ立った
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