第一話 「繋がった異世界」
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舞わす。
だが、既に霊夢の姿はなかった。
魔物は、霊夢を仕止め損ねた悔やみを吐き飛ばすかのごとく、狂うように身体を反らして空に吠えた。
そして魔物は、跳躍しながら凄まじい速度でその場を後にしていった。
……
ふと霊夢が目を覚ますと、布団の中に寝ていた事に気づく。
「……!?……え!?」
目覚めた霊夢の隣には、中国風な衣装を着た茨木華扇が待っていたかのように正座をして座っていた。
ちなみに彼女は仙人であり、動物と会話したり、包帯を巻いた右腕で怨霊を駆逐するなどの能力を持つ。
妖怪の山に隠れ家を儲けているが、現在は博霊神社に構えた別荘に滞在中である。
「目覚めましたか?霊夢」
「華扇……あれ!?あたし……確か倒れて……うあっ!??」
霊夢は急にきた身体の激痛に体を埋めてしまう。
「かなりの打撲傷を負っているんです!!無理はしてはいけません!!あなたは博霊神社の外れで倒れていたんです。博霊の巫女たる霊夢に一体何があったんですか!?」
霊夢を博霊の巫女と押す華扇。
普段は霊夢のプライドの代名詞くらいに誇りな名目だが、今回の件ばかりは重く感じていた。
「異変調査中に未知の魔物……モンスターと出くわした。今回の行方不明の異変は十中八九やつの仕業よ……けど、太刀打ちできなかった……異常な強さだった」
「霊夢……」
「正直、妖怪の類いではなかった……別の存在よ……痛い!!」
打撲が霊夢を痛感させる。
華扇は霊夢の両肩を添えるように布団へ戻す。
「とにかく安静です。どうしても状況が気になるならば他の方に協力を求めましょう」
「そうね……魔理沙や文に協力してもらおうかしら」
「彼女達なら空も飛べますし、特に文さんは幻想郷の新聞屋ですから何らかの情報も得られそうね……わかりました、彼女達に連絡してみます」
一、二つ昔前のガラケーを取りだし、魔理沙と文に連絡をした。
今の幻想郷では、かつてのケータイが普及しつつあり、誰もが持っているアイテムの一つであった。
連絡を受け、今からできうる限りの調査をしてきた霊夢の親友・霧雨魔理沙、哨戒天狗の友人・射命丸文は、異変事態を前に安静にせざるをえない霊夢を前に、彼女程の実力者を負傷させる存在に対し驚きを隠せなかった。
「霊夢がやられるなんて、信じられないぜ……異変事の力を宿した香霖堂店主以来だ」
「その香霖堂も今不在が続いてます……例の行方不明事件に巻き込まれた可能性も十分にあります!!!霊夢に負傷を負わす魔物……さらなる一大事件の匂い……!!!」
「とにかく……あの魔物は次元が違う危険極まりないやつよ……代わりの調査あり
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