暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
日本酒が苦手なアナタに送る・2
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風味。一風変わった揚げ物だが、酒肴としては面白い一品だろう。

「揚げ物にも合いますねぇ。」

「揚げ物にはビール、って感覚だけどこれはこれでアリかも。」

 喜んで貰えたようで何よりだよ。少し酔ってきたのか、頬が紅潮している翔鶴さん。相馬中将に少し寄り添うようにくっついている。

「お、おいバカ、恥ずかしいって……。」

「あら、良いじゃないですか少しくらい……♪」

 うわぁ。何て言うか、うわぁ。他人のイチャイチャ見るのってこんな気分なのか。俺達ももう少し自重しよう。それを見た加賀が不貞腐れたような顔をしている。

『どうした?妬いてんのか?』

 料理を持っていきながら加賀に小声で尋ねる。

『……別に、いつも通りです。羨ましくなんてありません。』

 いや、完全に嘘だよねソレ。握ってるグラスがミキミキって悲鳴上げてるんですけど。

『…解った、明日の晩は相手するからよ。それで機嫌直してくれ。』

『やりました、赤城さんも一緒にお願いします。』

 俺、死なないよな…?



「お待たせしました〜!」

 鳳翔さんが土鍋を抱えてパタパタと入ってきた。どうやら調理まで済ませてきてくれたらしい。

「いやぁすいませんね鳳翔さん。」

「いえいえ、お鍋でしたからさほど手間ではありませんでしたよ。」

 そう言いながら鍋をガスコンロにかける。ほどなくクツクツと中の汁が煮立って来た音が聞こえる。湯気からはふわりと味噌と魚介のよい香りが漂ってくる。

「今日のスペシャルメニュー……『あんこう鍋』です。」

 具材は白菜、ネギ、豆腐にエノキ、椎茸に鮟鱇を使ったつみれ。それに鮟鱇の身と内臓を入れて、味噌で味を整えたシンプルにして最高の一品。これに合わせるなら、酒も特上のを出さないとね。

 その酒瓶を取り出した瞬間、飲兵衛共がざわついた。無理もない、それくらい珍しい『幻の銘酒』と呼ぶに相応しい一本だからな。

「『十四代 黒縄 大吟醸』。今日出せる日本酒の中で最高の一本です。…どうぞ、味わってくれ。」

 まずはゲストの二人に一杯ずつ。後ろから生唾を飲み込む音が聞こえるが、我慢しろお前ら。ゆっくりと味わうように口に含む。

「なんだろう、甘口なんだけど……凄く力強い。」

「上手く表現できませんけど……凄く美味しいです!」

 だよなぁ。俺も『十四代』を初めて飲んだ時は味の感想が浮かばなかったもんな、凄すぎて。ただただ、美味いとしか表現できなかった。そのくらい段違いに美味い。

 全員に行き渡るようにあんこう鍋と十四代を回す。皆それぞれに味わって、疲労なんか吹っ飛んでキラキラ状態だ。でもその位美味いよ、マジで。

「さてさて、どうだったかな?日本酒の味は
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