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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
635部分:第九十一話 聖域への攻撃その五

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第九十一話 聖域への攻撃その五

「私にとって前世の記憶はそのまま受け継がれるもの」
「自ら神に近いというだけはあるか」
「どうやら」
「それはだな」
「その通り」58
 また答えるシャカだった。
「既にわかっていること」
「そうか。それではだ」
「我等のことも」
「やはり覚えているのだな」
「どうやら完全ではないようだが」
「ある程度は」
 これがシャカの今度の返答だった。
「既にわかっていること」
「やはりな」
「それもか」
 彼等はシャカからその言葉を聞いても驚きはしなかった。そうしてさらに言うのだった。四人並びそのうえでシャカを見据えたうえで、である。
「ではだ」
「我等も遠慮することはないな」
「バルゴよ」
 シャカをその星座で呼んできた。
「その力、ここで潰させてもらう」
「どうやら貴様は黄金聖闘士の中で最も危険な存在だな」
「我等にとって」
 狂闘士の側に立っての言葉であった。それは当然のことであった。
「ならばこそ」
「今ここで死んでもらおう」
「いいか」
「果たして実体でない貴方達にできるでしょうか」
 しかしここでこう言うシャカだった。
「それは」
「何っ!?」
「できぬというのか」
「神である我等に」
「神であろうとも」
 シャカの言葉の色は変わらない。何一つとして。
「精神を飛ばしただけでは力に限りがあるのは自明の理」
「くっ・・・・・・」
「それを言うのか」
「如何にも」
 まさにその通りだというのだ。
「果たしてそれだけでこのシャカに勝てるのか」
「ふむ」
 それに応えたのは。ケーレスだった。戦死の神である彼だった。
「そうだな」
「戦死の神ケーレスですか」
「そうだ」
 まさにその通りだという彼であった。
「そして一つ言っておく」
「何をでしょうか」
「先程貴様を襲った小宇宙は私のものだ」
「貴方のですか」
「神は人を倒すのに集いはしない」
 ここにも絶対の自信があった。神としてのである。
「一人で充分だ」
「だからこそですか」
「しかし貴様は私のその小宇宙を退けた」
 こう返すのだった。
「そのことは人としては見事だった」
「しかし。なのですね」
「貴様は私の誇りを傷つけた」
「誇りをですか」
「神の誇りをだ」
 言葉には怒りが篭っていた。明らかにであった。
「神の誇りをだ」
「だからこそですか」
「人でありながらそこまでの力を見せたことは認める」
 それはだ、と言いながらだった。

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