第63話 遊戯
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白井を横目にフウエイは自分の好奇心の赴くままにガスタンクによじ登り、裏側の覗き込んだ。
ど、どどどどうしましょー!
まさか、付いてくるなんてですわ
もう一度初春の元に戻って......いや、その前に
「フウエイちゃん......そのですわね」
「何?白井ママ」
「はう!?」
フウエイの純真無垢な言葉に胸を打たれた白井はコンクリートの地面にのたうち回りながら悶絶した。
ま、ママ!?
という事はという事ですと......
サソリがパパに!
「?」
大の字になって顔を赤くして惚けている白井にフウエイがしゃがみ込んで首を傾げて見始める。
「す、少しだけママってだけで呼んで頂けます?」
「??ママ」
サソリがパパ
白井がママ
白井は横になりながら静かにガッツポーズをした。
夢に見たこの状態に神に初めて感謝した。
恋の神様だから、天使(キューピッド)?
この響きには魔性な何かがある
「もう一回、お願いしますわ」
「ママ?ママ!」
あああ〜
幸せ過ぎますわー
これで布団の中での将来構想(妄想)が捗りますわ
ゴロゴロと転がっていると白井はガスタンクに頭をぶつけた。
「アイタですわ!」
ヒリヒリする後頭部を撫でながら、口角は幸せそうにダラけたままだ。
「超何してんですか?」
買い物袋を手に持った絹旗がジト目で見下ろしている。
「はうわ!?」
変なリアクションをしている悲しい顔見知りを放っておき、絹旗がフードを被ったまま、側にいる黒髪のフウエイを横目で見やる。
「これが超噂の生き人形ですか?」
「あーい!フウエイちゃんだぞぉ。がおー」
フウエイもフードを被った絹旗に倣って自分のフードを被り、形だけの威嚇のポーズを取る。
「な、何をしてますの?貴女は?」
心臓が飛び跳ねるのを必死で抑えながら、服に付いた砂埃を払い除けながらながら立ち上がった。
「別に。超買い物帰りなだけですけど」
「そうですのー。では、どうぞ通り抜けてくださいな」
「?」
フウエイの肩を掴んで通路を譲るように端っこに寄ると絹旗が白けたように紙パックのジュースを飲み始めた。
「小さい子に『ママ』って言わせる程超虚しい事はありませんね」
「ぐぉ!?」
絹旗の言葉が強烈なベクトルとなって白井にクリティカルヒットする。
見られていましたの!
聞かれてましたの!?
一人だったら簡単にテレポートで逃げる事が可能なのに......ですわ
「ああいう、女に超なっていけないですよ。フウエイ」
「何でー?」
「あんな感じで超ダメージを受けるからです」
首を傾げているフウエイに絹旗が悶え苦しんでいる白井を見せつけた。
「??」
「あー、赤髪超狩りですね」
ジ
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