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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第63話 遊戯
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「行くよむぎの!」
「!?」
滝壺が麦野に肩を貸して逃げるように元来た道を戻り始めた。
「離しなさい!滝壺!」
「相手が悪い......むぎのの能力を完全に吸収している......数倍にして跳ね返すタイプだったらマズイ」

「!?」
麦野の脳裏に先日の戦闘が過る。掌から能力を吸収し、跳ね返したゼツの存在。

「嘘!?」
スタングレネードを炸裂させて、二人が逃げる時間を稼いでいるが爆音と爆光が坊主頭の少年に吸収されていく。
「ま、全く効いてない訳?」
少年の冷たい眼が光り、フレンダに悪寒が走る。
底知れない憎しみの現れにも見えた。

ガシャンと少年がフレンダに腕を構えて、黒い棒を飛ばした。
眼前に迫る黒い棒の弾丸にフレンダが顔の前に腕を構えると麦野がメルトダウナーで吹き飛ばした。
「退くよ!覚えてやがれ」
更に麦野は坊主頭の少年の頭上にある天井に軽く打ち込んで崩落させた。
「!?」

物理的な攻撃ならさっきの蹴りで効くのは証明済み
潰れな!

崩落した瓦礫に埋もれたのを確認すると、麦野達はスピードを上げて一気に逃げ去った。

「......」
瓦礫の中からほぼ無傷の坊主頭の少年が崩れた天板を砕きながら起き上がる。
損傷した頭から血を流している。
すると、右耳に付いた黒いピアスから音声が聞こえてきた。

『侵入者?』
少年は右耳に手を当てると踵を返して、鎧を揺らしながら巨体を引きずるように歩いていく。
「ああ、深追いはしない」
『賢明ね。まあ、アンタとの視界共有で視えていたわよ。何だったかしら?』
「第四位......ターゲットとの接触はどうだ?」
『まだみたいね。接触班は、人間道と修羅道......そして天道が動いているから心配ないわよ』
「天道もか。畜生道は?」
『私と地獄道は待機よ。貴方も戻ってらっしゃい......餓鬼道』
「ああ」

黒いピアスから手を離すと右眼の輪廻眼を覆うように眼帯を始めた。

測定不能(Level Error)
餓鬼道

******

赤髪狩りが行われていると思われる路地裏にテレポートをしてきた。
華麗に着地を決めると、髪を整えた。
「さてと」
白井がテレポートをしながら軽く伸びをしていると後方から妙な重量感と声が聴こえてきた。

「デカ長!頑張りましょう!」
「へ?」
白井の真後ろにニコニコと笑ったフウエイが白井のスカートの端を掴んだまま見上げていた。
白井は顔が直角になるほどの衝撃を表現して、唖然とした。

「な、何で此処にいますの!?」
「白井ママが消える前に掴んでフウエイも付いてきたのだ」
ビシッと腕を伸ばして決めポーズをすると、キリッした顔で白井を見上げた。

口をパクパクさせて混乱している
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