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ハリーポッターと黒き黄金
秘密の部屋
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い君にはロックハートを任せるよ」
「……。うん。ジニーを頼む」


大広間程に広い空間が其処にあった。
ジニーの命の鼓動は刻一刻とゆっくりになっていく。彼女を腕に抱え、眼前の光景を、渦巻く歓喜を秘めながら見つめていた。
トム・マールヴォロ・リドルはハリーの杖を拾い上げて弄ぶ。
「君はどうやって生き残った?全て聞かせてもらおうか。長く話せば君はそれだけ長く生きていられる事になる」
「君が僕を襲った時どうして君が力を失ったのか……誰にも分からない。僕自身にもわからないんだ。でも何故君が僕を殺せなかったのか、僕には分かる。母が僕を庇って死んだからだ!」
「愛……か。それも命を懸ける程の。それは確かに呪いに対する強力な反対呪文となるだろうね……。だが結局、君自身には何か特別なモノはないという訳だ」
リドルは杖を使わなかった。
御手並み拝見だと深く礼をしたリドルはバジリスクを蛇語で呼び寄せる。
「《起きろバジリスク。礎となれ》」
「……礎、だって?」
石像の口から這い出た緑の鱗を持つ蛇の王はハリーに襲い掛かった。
不死鳥によるアシストと組み分け帽子から出現したグリフィンドールの剣によって貫かれ、バジリスクは息絶える。ハリーはその体に猛毒を受けたものの、不死鳥によって治されてしまった。
「見事だ、ハリー・ポッター。些か運任せであった気もするが、それも実力の内だろう」
「リドル……」
「これで後は魔法使いの決闘で決着を付けざるを得ないが、それはもう無理だろう」
ハリーの手元に落とされた日記帳に、ハリーの腕に突き刺さっていたバジリスクの牙。リドルは苦笑した。

「やはり負けてしまった。君の言う通りだったよ、マキナ」
「……え、?」

「未来の君はどうであれハリーに敗北したのだから、それは無理からぬ事だよ」

ジニーを抱き上げた僕はハリーに彼女を手渡す。
「!……温かい……?リドルはまだ倒してないのに」
「彼女は魂と魔力を渡し過ぎただけだ。応急処置にしかならないが、失ったモノは水増しすれば猶予が与えられる」
水に濡れた日記を拾い上げた僕は杖を振って脱水し、取り出した万年筆で"魔力を込めて文字を書き込んだ"。
「リドル」
「分かってるさ。ジニーの魂は返すよ」
リドルの姿が1度明滅し、魂が戻ったジニーの身体がビクリと跳ねた。
「ハリー、聞いて。……彼は確かにヴォルデモート卿だ。闇に浸りきった邪悪な魔法使い。その魂の欠片。しかし記憶という形で抜き出されたそれは現在も俗世の影響を受けて息衝いている……その意味が分かるかい?」
「……ううん、分からないよ」
「ヴォルデモートであってヴォルデモートでない存在。魂としては断てぬ繋がりを持っているが故に本体からの無意識な命令には逆らえない。でも、人格……性格や思想すらも全く
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