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ハリーポッターと黒き黄金
秘密の部屋
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「ああ」
そして、その空間に光が満ちた。

*****

「─────事の次第は以上です」
ダンブルドアは難しい顔で頷いた。
「……ホークラックス、分霊箱かね?」
「はい」
学校に戻ってきたダンブルドアに直様目通りを願い出た。ダンブルドアは黒蛇の姿から戻ったリドルに目を見開き、部屋に盗聴防止魔法を張り、問うた。

リドルを本体と切り離すことは容易い。唯分霊箱を破壊すればいいのだ。……それではリドルは死んで(壊れて)しまうが。
記憶を"転写する"一人分の魂を用意するのだ。密度が高くなくては失敗する。
肉体は人造の物で構わない。
それらを一つにし、転写と同時に分霊箱を破壊。
生命活動をしない肉体に魂を入れても直ぐに霧散するが、極限化した固定化の魔法で0.1秒留めておける。それで杖が使用され、転写に杖は使えない為、1人では決して出来ない儀式になる。更にタイミングが0.01秒も過ぎると失敗する。
余程タイミングピッタリの2人3人だろうと成せない不可能を、僕は容易く遣り遂げた。

「僕は前々からリドルと交流がありました。……貴方は知っておいでだ、僕の名を聞いて知らぬのは80年前より後の人間なのだから」
「……"生ける神話"。1000年以上前……魔法界が出来た頃から生きる、"はじまりのもの"」
「知っていながら入学させるとは」
「ホグワーツは誰であろうと受け入れますじゃ、マキナ殿」
ダンブルドアの視線はリドルに向いている。
問い掛けているのだ、その半月型の眼鏡の奥、キラキラと輝く深い青の瞳は。
「……先生。僕は貴方が嫌いでした」
「……知っておったとも」
「どんな時も生徒に平等な所も、道を外れようとする者を叱責し押し止めようとする所も。……一時は闇に身を任せた事すらあるというのに……今はしがない魔法学校の校長だ。偉大な魔法使いが聞いて呆れた」
彼は嘗て、栄光を求めた。
マグルも好ましいと思っていなかった。
変えたのは何があっての事なのか。
「……」
「僕は変わっていない。今だって選民的な支配思想は残っている。……だけど」
リドルがチラと僕を見て、まっすぐにダンブルドアを見据えた。
「……"僕"はやり直せると思いますか」
「無論じゃ。人は過ちを振り返り、反省し、学ぶ生き物なのだから」


入学許可証を手に校長室を出たリドル……否、リアムは僕の後ろを歩く。
「いいのかい?名前を変えても」
「トム・リドルを名乗る訳にはいかないだろう?それに前の名前は嫌いなんだ。マグルの父と同じ名前だなんて」
鼻で笑ったリアムは僕の隣を歩いた。17の彼は今の僕より視線が上にある。
「良い事を教えて上げよう。……僕はこの世界の住人ではない」
「!」
「魔法の魔の字もない世界だ。つまり僕は君の嫌いなマグルという事
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