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ハリーポッターと黒き黄金
秘密の部屋
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同じにはならないんだよ。例え似ていてもね。今は確固とした悪意を持っていたとしても、過去の彼がそれを持っていたとは限らない……つまり、過去の彼は思想や考えが変わる事があるって事」
「……うん、」
ハリーは僕の言いたい事が分かってきたようだ。
僕はハリーの目の前に跪く。
「"リドルを殺さないで欲しい"。2度とこのような事件は起こらないから。罪を償うから」
離叛するような事をすれば本体に不都合な人格が消えて道具に成り下がる。
日記は武器だったのだ、ヴォルデモートの。
せざるを得なかった事。
「どうやって?」
「僕の魂の一部をリドルに渡す。……僕の魂の容量は人の域を超えているんだ。だから質と量で、ヴォルデモートの魂を押し潰す。詳しくは言えないが」
「それは、今じゃなきゃ駄目だったの?」
「……ごめんよ、ハリー。君には英雄になってもらわなくてはならない」
「極東の諺で壁に耳あり障子に目ありと言ってね……このホグワーツにもその周りにもヴォルデモートの配下の目がある。……僕は帝王の魂の欠片。大事に保管されていた。厳重にね」
リドルはジニーに日記を渡したのはその配下だと言った。
「ハリー、君は10年前ヴォルデモートを退けたね。去年、賢者の石をヴォルデモートから守ったね。そして今年、見事バジリスクを討ち取り黒幕を倒した。リドルは此処で、君によって死んだ事にする。君と帝王は見えない絆で結ばれているから、それはけして不自然な事じゃない」
「絆……?絆だって?!」
自分はヴォルデモートなんかと、とハリーは憤慨する。
「君にも何れ分かる。その額の傷が教えるだろう」
「バジリスクをその勇気をもってして打ち倒した英雄よ。"その影に潜ませて欲しい"、勿論、ダンブルドアには全てを話すから」
ハリーは少し後退る。
「全部……全部君達の仕組んだ事だったんだ……!」
「違う。マキナは静観していただけだ。計画の全て、一つも彼は知らなかった」
知っていたのは魂の分割、魂に魂を憑依させる術、そして魂の繋がりの切断。
「僕は別に君達の力を借りる必要はなかった。《蛇語だって話せる。》魔法で日記を保護して偽装だって出来た。─────それをしなかったのは少なからず君達に友情を感じていたからだし、黙って騙すのは不誠実だと思うようになったからだ」
立ち上がり目を伏せる。
ハリーは少し悩み、迷ったように視線をあちこちに巡らせた後、しかと僕の目を見た。
「……分かった、分かったよ。僕も協力する」
「!ハリー……」
「僕はバジリスクを倒し、リドルを倒し、……ジニーを助けた。僕の目的はジニーの救出だ。それが果たされれば、それでいいよ」
その眼差しは言い方とは裏腹に、救えるならば救いたいという誠実さが見えた。
「……ありがとう」
「マキナ、もう時間が無い……」

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