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ハリーポッターと黒き黄金
秘密の部屋
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に引っ込んでいる。
先程まで彼を侮っていた者、嫌そうに顔を歪めていた者、うっとりと彼を見つめていた者。皆一様にこれはおかしいと思った事だろう。
「困ったものだね、お前もそう思うだろう?」
「ききぃ♪」
服の中に入り込んで機嫌良さげに鳴く彼の頭を指で撫で、袖から杖を出した。
視界の端で生徒達が外へと逃げ出していくのが見える。
「インペディメンタ《妨害せよ》」
杖先が一瞬瞬き、途端ピクシー達の動きが一切止まった。
「大丈夫かい少年少女」
「あ、貴方は……」
茶髪の少女と黒髪の眼鏡の少年、赤髪の少年、それとシャンデリアに引っ掛けられた黒髪の少年。
僕のネクタイの色に視線が集まるのを感じながらも続けて呪文を唱える。
「コングリガーテ《集合せよ》。……ウィンガーディアム・レヴィオーサ《浮遊せよ》、ロコモーター《動け》」
ピクシー達を籠へ収め鍵を掛け、シャンデリアに引っかかった彼をゆっくりと下ろす。
服に入り込んでいたピクシーは籠の上に乗って足をばたつかせている。
「君は……」
「僕はマキナ・キサナドゥ。見ての通りスリザリンだ」
「僕知ってる……"深窓の王子"だろ?!」
その渾名どうにかして欲しい。
困った様に微笑めば少女が赤髪君を小突いた。
「僕も君達の事は知っている。ハーマイオニー・グレンジャー、ロナウド・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、……ハリー・ポッター」
今日は散々だったね、先に寮にお帰り。あと1時間は授業は無いだろう、片付けは自分がするから、と。
「え、えっと……いいの?」
「構わないさ。……Mr.ロングボトム、直ぐに助けなくて悪かったね。余り目立ちたくなかったんだ」
こんな噂があっているからと、されど笑みを含ませて怒っていないと茶化しながら。
「え?!い、いいよ!だって助けてくれたし……」
少し頭を下げればハッとした顔でネビルは頭をブンブンと横に振った。
「ふふ、そんなに頭を振っていては取れてしまうよ?」
ひゅっと杖を横に振るうと破かれた本が修復されて積み上がっていく。
「唯、僕はグリフィンドール寮には入れないからね……教科書は届けてもらえるかな?」
「ええ、勿論よMr.キサナドゥ」
「マキナでいいよ、同い年だろう?」
「なら、僕達もそれでいいよ。ね、ロン」
「う、うん」

誰もいなくなった教室で。
「……」
ファーストコンタクトに目を眇めた。

*****

イライラしているスネイプ教授は僕用に持ってきた甘いミルクチョコもほろ苦いビターチョコも構わずハイペースで貪っていた。
「ストレスでもお有りのようですね」
「……分かり切っておろう?」
「Mr.ロックハートですか」
カン!荒々しくカップを皿に叩き付けた教授に肩を竦めてみせる。
「彼は良い作家です。英雄譚(物
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