賢者の石
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たのか?」
「ッこれ以上の物を出せっていうの?!無理でしょ!?」
そりゃそうだ。
「じゃあ悪戯だな」
「ッ、?!」
別にそこら辺の菓子でいいのに。
迂闊というか生真面目というかなんというか。
*****
ドッサリと課題を出された上で冬期休暇が始まった。どうせならと今期は学校で過ごす事に決め、雪が降り積もるのを眺めて杖を振るう。
魔法が掛かった羽ペンが同時進行で五つ程独りでに動き出し、羊皮紙に書き込まれていく。
マルチキャスト、並列思考という奴だ。それが杖の性能を補助に幾つもの事象を起こす事を可能にしている。
勝手にペンが動くという魔法の羽ペンとも違う、物体操作の類なのだ。
「《無駄な高等技術の使い方だね》」
「この方が効率的だろう?」
自動筆記羽ペンに任せるより信じられるのは自分だ。
優雅に紅茶を傾けながら大蛇となったリドルを侍らせる。校内には僅かばかりにしか生徒がいない為堂々と教室で愛でられる。爬虫類特有の鱗が美しい。
防寒魔法を掛けてある為冬眠はしていないと明記しておく。
さて、それらは置いておいてこの紅茶とその茶菓子である高級な某チョコレートはスネイプ教授から頂いたクリスマスプレゼントである。スリザリン寮の談話室に飾られたツリーの根元には数多くのプレゼントが山を成していた。
スリザリン寮生は殆どが純魔法族、または疎外されるのを恐れ半純血や非魔法族だとしても魔法族と偽る。その為スリザリン生は殆ど学校からいなくなると言って良い。……即ちその山のようなプレゼントは殆ど全て僕宛だという事。
何か僕の事レアキャラか何かと勘違いしていないだろうか。
高い頻度で先生方に自主学習のレポートを提出している為か、先生方から頂いたプレゼントは恐らく人より多い。というか見知らぬ生徒からも貰ってるオカシイ。
「閑話休題」
「《……何言ってるの?》」
「んー別に何も」
最後の一文字を書き終え、羽ペンが置き場へと収まりインク瓶の蓋が閉められる。カタカタと収納ボックスに整列させカーテンが掛けられる。
「さて、課題と自主学習は終わった事だし時間も丁度いいな」
銀の懐中時計を胸ポケットから取り出す。
「昼食にしようか」
「《うん」
「おや?どうして動物モドキ(アニメーガス)を解除したんだ?」
器用にスリザリンの制服を着て隣に立ったリドルは口端を吊り上げて目を細めた。
「知ってるかい?知ってるだろうね。ホグワーツってかなり甘くて緩いんだよ」
警備も、警戒も。
成程、紛れ込むのも得意のようだ。
「それで、そろそろ動くようだけど君には影響はないのかな?」
「……、ああ。みたいだね。多分"命令"を受けるまでは」
「来年か」
「来年だね」
リドルが関わる以上、僕が何もしない訳にもいかないだろう?
しんしんと降
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