賢者の石
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って呼ばないで」
「ごめん。……リドル、こっちを向いておくれ?」
ぎしり、
「……どっか行ってくれない?」
「それはいやだ。……さっきの答えだけどね、」
ゆっくりと覆い被さるとびくりと肩を揺らした。悪戯に耳元に息を吹き掛けながら、
「いつもの事ながらエロティックだね、リドル。蛇の時も勿論キュートだが、今の君は目に毒だ。欲情してしまったよ」
「ッ?!!な、何を言って─────っ」
僕は献身的でね。愛しい子を愛でる為なら多少の面倒は厭わない質なんだ。
*****
命題、授業がつまらない。
弱った。此処まで退屈だとは……全くの埒外にしていた出来事だ。
呪文学魔法史学闇の魔術に対する防衛術天文学薬草学変身学飛行術……。全て元から既知であり、それら全て屋敷付近の森で簡単に見付けられる動植物に既に行使できる魔法術……。
先生の話を聞くのは案外楽しいため放課後に話を伺いに行く事多数だがどうにも退屈で退屈で退屈だ。
そもそも1年に1度しか大きな事件が起こらないとはどういう事だ。闇の陣営仕事してほしい。
くるくると魔法薬学のレポートと自主勉強の論文を丸めリボンを結ぶ。脇に置いてあるスリザリン全員分の提出物を確認。そして生徒の真横を通り過ぎ、通り過ぎ、通り過ぎ……。
「《どう考えても君って規格外》」
「気配消しているだけだよ……というか、眠ってなくて良かったのぉ?リドるん」
「《だまれしね》」
あ、噛むのはダメだよ君毒蛇だろう?
言うも虚しくガジガジと割と本気で咬まれて、現在形で手首に穴が空いている。
「ちょっと(前の口調を)零しただけだろう?」
「《腹立つんだよソレ》」
「あ、そう……まあいいが」
私有している異空間から大粒の宝石を取り出し、それを対価に心臓の石を介して等価交換、手首の傷と毒を抜いた。
「あんまり咬むとその口、キスしか出来ないように塞ぐからな」
「《……》」
袖を捲り手首でブレスレットと化しているリドルの下顎を指で擦れば無言で舌をチロチロとさせた。
「さて、教授に提出しに行くか」
贔屓のある先生だが自寮には案外優しい、過去に囚われた哀れな哀れな先生の元に。
最初の魔法薬学の授業は中々の余興だった。スネイプ教授によるハリー・ポッターイビリから始まり、薬の失敗により大幅の減点。さぞグリフィンドールは煮え湯を飲んだ事だろう。
逆に我々スリザリンは加点されたのだが。どうやら僕の薬の出来がかなり良かったと見る。
手際から作った事があるのか、云々と問われる程正確であったらしい。真理の写見であるのだから当然と言えば当然の事。因みにグループを組まされた相手はマルフォイだった。
コンコンコン。
軽快に3度。
「スリザリン1年マキナ・キサナドゥです」
「……入りたまえ」
低く落ち着いたベ
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