提督の休日・8
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そう思った。
「だ、darling!?何してるデース!?」
気付いたら、泡だらけなのも気にせずに、金剛を後ろから抱き締めていた。
「疵は消してやれん。…けどな、背負い込むな。その疵の嫌な思い出は、一緒に背負って軽くしてやれる。」
「ハイ……。」
艦娘と結婚するってのは、こういう事に理解を示して受け入れる覚悟のような物が必要なのだと改めて思った。
「「カンパーイ♪」」
グラスを打ち鳴らす。中身は安物の赤ワインだが、ゴクゴク飲むには気兼ねなく飲める方がいいだろう。
「ンー♪カレーがマイルドで美味しいデース!」
豆乳がいい仕事してくれてるんだよな、そのカレー。ごぼうのシャキシャキとした食感も、普段のカレーとは違う食感を味わえて面白い一品だ。さて、俺もシェパーズパイを頂くか。
「ん!美味っ!」
芋のまったりとした口当たりに、ラム肉の風味とトマトの酸味と旨味がガツンと来る。イギリス料理は不味いと敬遠されがちだが、ちゃんと作れば美味い料理は沢山ある。
イギリスには元々、美食を良しとする文化がない。美味しいの基準値を美食家のレベルではなく普通の生活を営んでいる人々の程々なレベルとして考えると、むしろ合理的であるとする料理研究家さえいる。
だが、イギリス料理が不味いと言われる大きな理由を挙げるとしたら、野菜は食感が解らなくなるまでクタクタに茹でる、揚げるときは真っ黒焦げになるまで揚げる、麺を必要以上に茹でるといった食材本来の味や食感を残さずに加熱する調理法が他国には受け入れられない事が多いからだ。更に、「味付けは個人の好みで調味すべし」というのがイギリス料理の基本スタンスなので、調理中に殆ど味付けらしい味付けをされない。今も一流レストランのテーブルには塩や酢などの調味料が置かれている所が多い。
これにはイギリスの過去の習慣や歩んできた歴史が影響するのだが、長くなるので興味のある人は自分で調べてみてくれ。……まぁ、今食ってる物が美味いからまぁいいか。
「はぁ〜…食った食った。満足だぜぇ。」
ワインをぐいと飲みながら、まったりとテレビを眺める。洗い物は金剛に任せてしまった。
「darling、洗い物は終わったヨー。」
時刻は2230。そろそろ寝てもいい頃かな?
「そろそろ寝るか?」
瞬間、金剛の顔が真っ赤になる。想像しちゃったんだろうなぁ、ナニを……もとい、何をとは言わないけど。
「何だよ、今さら恥ずかしくなったか?」
当然というと聞こえが悪いが、金剛とは既に何度も肌を重ねている。最初のケッコン相手だってのもあったが、お互いに両思いだったのだから、自然とその回数は増えるワケで。
「ち、違いマスよ!ただ…
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